政治と市場。「泥濘」のその先。
昨日の日経平均は小幅に反発。
米国の報道官が「保護貿易」の標的から一部の国を外し、
同盟国に一定の配慮をするというニュースが、
日本市場にもある程度の安心感をもたらして、
寄り付きは少し高く始まりました。
しかし、結局のところ米国はどうするつもりか、
好悪様々な情報が入り乱れた上に、
日本国内は国会が時期外れの空転劇を演じており、
先々の見通しがほとんど立たないこともあり、
日経平均は終日、やや下げつつ停滞していきました。
依然として次に出てくる材料の如何によって、
急騰も暴落もあり得るという緊張感のまま、
混乱の「泥濘」が長期化しつつあります。
米国の行方は決定的な要因のひとつです。
先ほど署名された大統領告示では、
輸入制限の対象に日本も含まれているようですが、
協議次第で除外される余地がありそうとのこと。
ひとたび「除外協議」が始まったならば、
安倍総理はトランプ氏との関係に自信がありますし、
政府高官や議会の大物には日本びいきが多いです。
無論、決して油断できない厄介な相手でありますし、
その代償に何を要求されるか気が重いものがありますが、
日経平均にも明るい展望が開ける可能性はあります。
ただ、たとえ日本など同盟国が除外されても、
中国などの「仮想敵」は標的となるわけです。
すでに中国は強力な「報復措置」を準備中とされます。
(公式発表で)世界第1位、2位の経済大国が、
「貿易戦争」に突入する可能性はやはり高いわけです。
そうなれば「悪夢の時代」が到来しかねません。
いずれにせよ情報が入り乱れており、
市場全体が翻弄される展開が続いています。
米国政府や議会与党の人々ですら、
突如なされる大統領発言に右往左往する中、
日本をはじめ同盟国の政府中枢の人々には、
トランプ政権の真意を知る術がまるでなく、
日々、戦々恐々とするしかありません。
メジャーSQ週は大きく動くことが多いですが、
強力な好悪それぞれの材料が錯綜しているため、
金縛りにかかったように停滞した週となりました。
国内政局は相変わらずの「重大局面」です。
昨日は毎日新聞が森友問題で新報道を出しました。
朝日が報道した文書とは別の決裁書とのことですが、
過去の財務省側の答弁を否定する内容のものを、
こちらのほうは写真つきで報じています。
先週の参議院予算委の審議などでも、
財務省が複数バージョンの資料を用意して、
国会対応を行ってきたという事実は、
ほとんど確定的な事柄となっていますので、
政府側は昨年行った国会答弁の根幹部分について、
修正を迫られるのは不可避な状況とされており、
安倍政権への打撃は蓄積し続けています。
ただ、政権側は焦点となっている「決裁書」に、
「改ざん」の事実がなかったことさえ示せば、
「一発逆転」で「反転攻勢」に移ることは可能です。
今週の国会空転はこの文書の「原本」をめぐって、
「改ざん」があったのかなかっただけが焦点となり、
問題が道義的、政治的なものから、
法的なものへと移行してしまっているからです。
それゆえ財務省が自分で頼んで取り寄せるか、
朝日新聞か大阪地検が進んで「原本」を示せば、
一発で全てが決着するであろうという、
震えが出るほどスリリングな展開になっています。
疑惑が「ガセ」だったならば朝日新聞が終わり、
ついでに立憲民主党や民進党も袋叩きでしょう。
しかし「書き換え」が事実であったなら、
最低でも財務大臣、財務省は重い責任を問われ、
おそらくそれは内閣を吹き飛ばしかねません。
まさに究極の「正念場」です。
現時点では財務省も朝日新聞も大阪地検も、
「原本」を出す様子がみられないために、
「真相不明」の「泥濘」が続いているわけですが、
どうも朝日新聞は政府の出方をうかがった上で、
情報を小出しにして揺さぶる戦略をとっています。
新しい記事として「調書」部分の一部が、
まるごと削除されていたこと等を報じて、
手元に「玉」があることを政権側に誇示しつつ、
世論を沸騰させるべく誘導中です。
これで記事が「ガセ」だったならば、
朝日はもう滅んでくれといいたいところですが、
政権としてはとても嫌な戦略をとられています。
「いつまで続く泥濘(ぬかるみ)ぞ」と、
永田町も霞が関も溜息をついていますが、
こうした「泥濘」が続いている間に、
政局はまるで違う次元に突入していますので、
次号メルマガ(第203号:3月11日)において、
先の展望とともに述べさせていただきます。
政権が存続するか、交代するかで、
市場の展望は大いに変わるのは間違いありません。
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