政治と相場で「はずだ」と「べきだ」は通用しない。
昨日の日経平均は、一昨日に出現した陽線に引き続いて大陽線が出現。
「ゆるやかな下降トレンド」を一日で打ち消す動きとなりました。
4月26日の統一地方選後半の投票日まであと3営業日。
おそらく終値が2万円を上回っていれば、また、新聞各紙で、
「安倍政権の成果」として「新聞の一面ジャック」ができます。
選挙期間中としては何よりの「選挙応援」となるでしょう。
それにしても、安倍内閣は「持っている」政権です。
いったんはダメになったかと思われていた「2万円突破」を、
この選挙期間中に成し遂げる可能性が高くなってきました。
これは官邸スタッフの「株価操縦」の成果でもありますが、
今回はそれ以上に、安倍総理の「神がかり的」な運の良さが効きました。
昨日の一直線の上昇は公的資金投入によるPKOの影響よりも、
ヘッジファンドを含む内外の投資の雪崩現象であり、
その原動力は中国の追加緩和(預金準備率引き下げ)です。
すなわち、奇襲攻撃で津波のようにやってきた「中華バズーカ」です。
安倍総理が大嫌いな中国が、安倍政権を支援する結果になったという皮肉。
私は月曜の朝、寄り付き前にこのニュースを見たときには、
それなりに警戒する必要も感じはしましたが(ブログに書きましたね)、
しかし、寄り前の気配値は19500円台まで大きく下げており、
そのまま19500円を割って下に走る可能性を示唆していました。
日経平均が今の株価位置(高値圏)にいることは合理的に説明できません。
また、政府PKOがセーブされた形跡があり、日経平均EPSも下げはじめ、
高値波乱の欧州ではギリシャでもまた危機が台頭しつつありましたから、
4月26日の統一地方選の終了をもって、
日経平均の調整入りの可能性が高いとみていました。
実際、4月10日の「2万円タッチ」の「政治的目標達成」以後は、
明らかに「ゆるやかな下降トレンド」に入っていましたから、
チャートをみる限り、多くの方が「これは下げる」と思ったことでしょう。
しかし、そこに不意打ちでやってきたのがこの「中華バズーカ」です。
しかもそれは、中国人旅行客が次から次へと「爆買い」に来るように、
最初はじわじわ、そして、次第々々に買いを膨らませてお祭り騒ぎとなり、
一度も一服する兆しをみせないまま、一直線に相場を上昇させました。
これが相場の怖さです。
何の兆候も前兆もなく、一瞬で相場をめぐる空気が一変することが、
いつ、いかなる時に発生するか、誰にもわからないのです。
それゆえ、私の「時鳥トレード」では、「相場の急変」を常に警戒し、
どんなに自信がある時も、あまり追いかけ過ぎないで利確します。
多いときでも数百円。千円、二千円の値幅を狙うことは滅多にありません。
「もったいない」と後悔しそうなことがわかっていても、利確します。
また、トレンドをとらえてエントリーした後に、一時反発する局面があれば、
「このまま待ってれば、またトレンドに戻るだろう」と思っても、
5円とか10円下まで寄せてきた所で、必ず、機械的に「撤退」します。
しかし、たいていの場合は、やはり、もとのトレンドに戻りますので、
「なぜ、撤退したのだろう」と疑問に思われる方もおられるようですが、
常にどんな形で「想定外の反転」が発生するかわかりませんので、
絶対に「含み損」だけは抱えないように警戒に警戒を重ね、
「儲け損ない」よりも「想定外の損失」を避けることにしています。
私がメルマガで「エントリー・ゾーン」をお示しする際には、
どんなに「安心、安全、堅実」なゾーンであるとの確信を持ってはいても、
「相場は生き物」「様子がおかしいと思ったら迷わず逃げるように」と、
くどいくらいに申し上げているのはそのためです。
今回のように「想定外の事態」は外国からやってくることも多いものです。
戦争、内戦、大規模テロや、大規模な自然災害も要警戒ですし、
なにより、外国の中央銀行や政府当局が突然、政策転換するのが怖い。
日米当局も含め、政府機関はサプライズ効果を狙って仕掛けてきます。
記憶に新しいところでは「黒田バズーカ2」や「スイスフランショック」も、
政治的、経済的サプライズを狙って突然にやってきましたから、
飲み込まれた多くの投資家が、「文字通り」命を失いました。
経験的に、こうした「サプライズ」で「想定外」な政策転換は、
数か月に一度は必ず世界のどこかで発生しますので、
「想定外」の事態に耐えられない無理な張り方をする投資家は、
数か月に一度は破産のリスクにさらされることになるわけです。
「次の瞬間はどうなるかわからない」というのは、
相場を張るにおいて「鉄則の心得」です。
私がこのことを肚の底から実感しているのは、
永田町に棲息して、「政界は一寸先が闇」というのを嫌と言うほど痛感し、
何度も何度も苦杯と苦渋をなめてきたからです。
何重にも根回しをし、「これは必ず通る」と確信した法案が、
採決の直前に発生した政争や政局でお蔵入りになってしまい、
顔面蒼白、茫然自失で立ち尽くす人の姿を見るのは日常茶飯事です。
「次は大臣ポストが確実」と言われた前途有望な政治家が、
同僚の嫉妬で根も葉もない噂を立てられて邪魔をされ、
3年も5年も干されてしまうなんてこともしょっちゅう。
自民党や民主党のような大政党でも想定外の大敗北で数百人が失職したり、
さきがけ、新進党、みんなの党のような人気政党が突然消滅したりします。
「この人は」と信じて、ついていった親分が突然失脚したり急死したりで、
将来の道が断たれて、泣かず飛ばずの人生になった人もたくさんいます。
それらのほとんどが何の予兆もなく、ある日、突然発生するのです。
生涯をかけた夢も、何十年もの営々とした努力も、その瞬間に全部パー。
政治の世界において「●●はずだ」と「●●べきだ」は通用しないのです。
それは相場の世界と極めてよく似ています。
「●●はずだ」とか「●●べきだ」に賭け、全力で無理な相場を張る人は、
定期的に必ずやってくる「想定外」の事態に飲み込まれ、
十中八九、1~2年もたたないうちに消えてしまうことになりますが、
たいていの場合、それは兆候も前兆もなく、突然やってくるのです。
私の「時鳥トレード」は、そうした「想定外」に巻き込まれることを、
極限まで避けることを考え続けた結果、編み出されたものです。
今回の「中華バズーカ」による上げは、そのことを改めて痛感しました。
「想定外」の事態ですので、状況を消化するまでは当然、様子見です。
とりあえずは、今日明日にでも終値で2万円突破の可能性もありますが、
この「中華バズーカ」の影響がどの程度のものかわかりませんので、
上昇の勢いをノーポジションで見極めようと思います。
「休むも相場」ですから、じっと様子をみることもまた、
ポジションを持つのと同じかそれ以上に重要な時間です。
ひとつだけ言えるのは、「上げ続ける相場はない」ということ。
このまま本格的なバブルになる可能性も否定はしませんが、
サプライズの後、「集団心理」で上昇した相場は、
あるとき突然に資金が巻き返し、ハシゴを外すように下落するものです。
このまま「セル・イン・メイ」がくるのかこないのか誰にもわかりませんが、
もしかしたら今日、相場がいきなり反落したっておかしくありません。
政治と相場で「はずだ」と「べきだ」は通用しないのです。
それでも生き残り、富を増やす方法を、私は考え続けております。
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