「政治の秋」へ。
(午前0時の更新です)
注目された先週の9月21日。
日銀も米国FRBも市場との「対話」を成功させ、
ひとまず相場は荒れずに済みました。
日銀については「長期金利」誘導への「期待」から、
金融株を中心に買いが集まり、
久しぶりに上昇することができましたが、
しかし、すぐにまた暗雲が漂い、
日経平均は乱高下を演じています。
懸念は、急速な円高が進行してしまったことと、
「長期金利」が思うように誘導されないことです。
黒田総裁は「緩和を強化した」と言いますが、
猛スピードで円高に進んで戻らない上に、
長期金利が金融機関の経営を圧迫し続ける限り、
せっかくの「緩和強化」の効果も減殺されます。
そもそもが、黒田日銀の金看板「異次元緩和」とは、
「金利」から「量」にターゲットを変えたことで、
市場の「期待」をかき立てたものでした。
しかし、今、黒田日銀は金融政策のターゲットを、
「量」から「金利」に戻したわけですし、
さらに言えば「金利の安定」が目標となったことで、
アベノミクス当初にみられた「期待」や高揚感が、
ずいぶんと懐かしくさえ思えてしまいます。
「金融政策はなんでもできるわけではない」という、
その当たり前の現実を改めて突き付けられ、
景気を回復し、経済を拡大する役割は、
日銀から政府に投げ返された格好です。
そんなわけで市場の関心は、
金融当局から政治へと移っていきそうです。
今日から日本では臨時国会が始まり、
米国の大統領選は「直接対決」の局面を迎えます。
「政治の秋」です。
臨時国会で政府から出される経済政策の「玉」や、
臨時国会にまつわる政局的な見通しについては、
前号メルマガ(第127号:9月25日)で分析しました。
また、米国大統領選は緊迫しており、
市場参加者が油断してはならないポイントも、
前号メルマガでしっかりと書きました。
新しい金融政策スキームの成否だけでなく、
財政政策も構造改革の行方も非常に気がかり。
しかしそれだけでなく、メルマガに書いたように、
この国の形も日本社会の在り方も、
超スピードで劇的に変化しつつあります。
客観的に考えて、今の日本は、
経済、外交、安全保障、国家機構などの全てで、
最も劇的な変化を遂げつつある先進国のひとつです。
投資家として、また、日本国民として、
この猛烈な変化に振り落とされないよう、
長期的投資計画や人生設計などの全てにおいて、
油断してはならない時期に差し掛かっています。
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