「大玉」と「波乱の種」が併存する臨時国会。
(午前1時の更新です)
日米当局の「決断」を受けて乱高下した挙句、
日経平均はじわりじわりと下げ基調へ。
この展開は前々号メルマガ(第126号:9月18日)や、
前号メルマガ(第127号:9月25日)で理由とともに、
見立てを述べた通りの展開です。
いかんせん、為替がこれでは上昇は難しいです。
もっとも、以前のように材料が出尽くした後に、
「失望」から大幅に急落する展開でもないのは、
やはり「日銀砲」が怖いためでもあるでしょう。
商いがなかなか膨らまない閑散相場では、
公的資金によるまとまった買いは威力があります。
もっとも、それは日本市場が公的資金によって、
ずいぶんと歪められていることを示しています。
もし、「日銀砲」がなかりせば、
日経平均はうんと下にいてもおかしくありません。
また、何らかの悪い材料が突発的に出来し、
「日銀砲」も太刀打ちできない売りが殺到すれば、
どこまで持ち堪えることができるか不安ではあります。
下げ基調とはいえ16600円台を維持していますので、
チャートだけをみると底堅くも見えますが、
大変珍しい特殊事情が働いているということは、
念頭に置いて相場展開を見ていきたいところ。
さて。
「政治の秋」がやってきましたが、
臨時国会は冒頭からピリピリしています。
焦点のひとつはTPP。
外務省の日本語訳に多数の誤訳箇所が指摘され、
政府側が訂正を余儀なくされたのも問題ですが、
それ以上に与党側が注意すべきなのは、
前号メルマガでも触れた「SRS価格偽装問題」です。
基本的には国産米も輸入米も「同じ値段」が建前で、
政府が買い取って卸業者に流しているわけですが、
「同じ値段」では輸入米が売れないため、
輸入元(商社)が「調整金」を支払っている件です。
こんな商慣行が裏でまかり通っているのに、
TPPで大量の輸入米が流入することになれば、
国内農家は本当に死活問題になります。
農水省はこういう「偽装価格」の慣行を隠しつつ、
補正予算案にTPP対策費を計上していたのですから、
野党が「これでは補正予算の審議に入れない」と、
反発するのは、まあ、自然な話ではあります。
TPPはテキトーに先送りにすれば済む話ですが、
補正予算の成立は至上命題ですから困ったことです。
もっとも、反発は与党側にこそかなり強いようで、
スキャンダル発生にほくそ笑む野党とは裏腹に、
農業県を地盤とする与党代議士は激怒しています。
というのも、
先の参院選で北日本で自公側が大負けしたのは、
TPPによる農業票の離反が主因ともいわれており、
「偽装価格」問題で火消しに失敗すれば、
全国的に広範囲で農業票が離反して、
「次の衆院選」にも影響が出かねないからです。
また、野党が元気になるのも困ったことです。
せっかく蓮舫民進党代表の出鼻を挫き、
立ち直れないダメージを与えるつもりなのに、
逆に彼女に「見せ場」を与えては意味がありません。
こうしたこともあって、
与党が抱く危機感はかなりのものがあります。
たぶん、どのメディアよりも先に、
「北方領土解散」の構想を正確に書いたのは、
私のメルマガだったのではないかと思いますが、
(第124号:9月4日に全容を書いています)
今やすっかりあちこちで報道されており、
永田町は解散風が強烈に吹きまくっています。
TPPだとか、北方領土返還だとか、
政治、経済へのインパクトが甚大な「大玉」が、
この臨時国会を経て決まる予定になっていますし、
それを受けて解散総選挙が打たれるのであれば、
2020年までの政権枠組みが決まるわけですので、
市場も固唾をのんで成り行きを見つめています。
それゆえに政権側は「安全運転」のつもりでしたが、
しかしどうも臨時国会の冒頭からその思惑が外れ、
何か大きな波乱がありそうな兆しもあります。
前号メルマガでは、
臨時国会に出される経済政策(玉)について、
かなり詳しくその内容と影響を書きましたが、
次号メルマガではこうした政治的駆け引きが、
政局と市場にどんな影響を与えるのか、
もう少し突っ込んで分析してみたいと思います。
「安全運転」で無風状態になると思われましたが、
「大玉」と「波乱の種」が併存するという、
目の離せない臨時国会になりつつあります。
まことにもって、
政治の世界は一寸先が闇です。
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