印象的な出来事がいくつかありました。

まず、頼んでもいないのに、取引している銀行が、融資の話を持ち込んできました。

確かに、私の資産管理会社は順調で、今期は税金をいっぱい納めた上で、

それでも、積み上がったキャッシュの再投資について考えている状況ですから、

「優良貸出先」と認定していただいたのであろうとは思います。

何年か前まで銀行融資をもらうために、青い顔で駆け回っていたことを思い返し、

「銀行は晴れの日の傘」というのは時代が変わっても同じだなと実感しました。

「融資させてください」と言っていただくのは名誉なことではありますが、

問題は銀行が持ってきた話の中身です。

支店の担当者さんが懇意にしている顧客の相続案件なのですが、

数年前なら、到底、融資がつかなかったような築古の物件を、

決して割安とはいえない価格で提示しています。

「これからますます景気も良くなりますし、この立地なら大丈夫です」と、

「おや?」と思うようなセールス・トーク(?)を添えての売り込みですが、

銀行がこういうことを言うようになったら、何かがおかしくなってきた予兆です。

まあ、ビジネスの話はビジネスの理論で詰めていくしかありませんので、

「アベノミクスが終わって、オリンピックも過ぎてしまえば、

5~6年後にこの物件の価格はこれくらい下落するでしょ?

この利回りなら空室率があと2割増えればキャッシュ・アウトですが、

その時になったら、必ず、融資の引き伸ばしに応じてくれますか?」

と聞いたら、担当者さんの目が宙を泳いでいました。

1989年バブルのときも、銀行は必要もないお金を貸しまくって不動産を買わせ、

バブルが崩壊するや、不動産なんか売れもしないのに、「貸しはがし」に転じて、

おびただしい数の会社や個人を破滅に追い込みました。

今回の案件は、私にだけ降りかかった特殊事情かとも思いますが、

資産家の間では、やはり、ちらほらとそうした話を聞くようになりました。

おそらくはこれが、バブルの予兆です。

本格的に景気が良くなれば、日経平均のPERは20倍くらいにはいくでしょうし、

90年代バブルの際は最終的にPERが60倍まで跳ね上がりましたから、

まだ、現状(PER17.4倍)はバブルとは言えませんが、

市場というのは、いったん加速がつけば数か月でバブル化します。

利上げを前にして、米国市場など世界中が頭打ちとなるなか、

日本市場だけが突出して上昇しているのは、やはり健全でも安全でもありません。

コンビニに行けば週刊誌がド派手な株特集で人々を煽るようになりましたが、

「日経平均6万7千円へ」という見出しをみてひっくり返りました。

89年には野村証券が日経平均の予測を「5万8千円」とし、

一般紙に堂々と「日経平均10万円」の予測が掲載されたことを思い出します。

まだ、バブルとは言えませんが、少なくとも「バブルの入り口」には来ています。

「買い本尊」は公的資金で、これに海外投資家が追従したための上昇ですが、

今後、一般投資家の「集団心理」に火がつけば、バブル化する可能性は大です。

こうした状況をみて、歴戦の相場を生き残った投資家の方々は、

こっそりとポジションを手仕舞いつつあります。

バブル化したら、合理的な株価形成はなされず、完全に予測不能になります。

後で必ず恐ろしい暴落が来ますが、それがいつかは誰にも予測できません。

「君子危うきに近寄らず」で、89年バブルの際も、ITバブルの際も、

「バブルになった」と思った瞬間に相場から手を引いた人が生き残り、

バブル崩壊後の「好環境」で安値資産をごっそり仕込んで大儲けしました。

古今東西、「本当の勝者」は「人と同じことはしない」ものであり、

常に一歩先んじて「次の時代」に備えるものです。

アベノミクスで本格的に盤石な資産を築いた人々は、政権交代の直前か直後に動き、

大いに資産を拡大させてきた人々が大半です。今頃になって動くこともないはずです。

2012年からの株や不動産価格の急上昇はもう3年も続いており、

安倍政権の打つ「手」も、今年半ばにはほぼ出尽くしますので、

長期スパンで考えて、そろそろ「次の時代」に備えて準備をし始める頃です。

実際、

「しばらく毎日ゴルフをして暮らします。今年のパフォーマンスはゼロ%でいいです」

と断言する人もいます。

すなわち、アベノミクスという歴史的な「大相場」はもう終盤に差し掛かっており、

ここから始まる「バブル」という狂騒には、お付き合いしないという宣言です。

もっとも、基本的に逆バリ投資である私の「時鳥トレード」は、

相場が上がろうと下がろうと関係なくコンスタントに利益を出すためのものですから、

今後も、政策の切れ目や、外部要因による荒れを捉えてエントリーできれば、

おそらく、年間目標(15~20%)は達成できると思いますが(現在9%)

少なくとも、アベノミクスも「終盤」に差し掛かった今になって、

株や不動産で大きな買いを入れることは、危うくてできませんし、やりません。

(一部銘柄、商品の積立投資や、特殊事情のある面白い個別銘柄は除く)

ことに私が日経先物を中心に行っているのは逆バリの「時鳥トレード」です。

「今後も上がるだろう」と言って買うことは、これまでもこれからもありません。

現時点では、今週からはじまる統一地方選の選挙戦を契機に、

内外の相場環境が大きく変われば、ひとつ波乱がある可能性もありますので、

そこを注視しています。

このまま一直線にバブル化する確率は、高くても、まあ、半々でしょうから、

少なくとも上昇に「期待」しての上値追いを、私がやることはありません。

投資とは資産を拡大させる「競争」ではなく、

安心、安全、堅実に生き残り、資産の基盤を盤石にしていくことがその要諦です。

世間が浮かれ騒いでくればくるほど、気を引き締めて冷静に臨みたいと思います。

この話は、またメルマガで。

ところで、最後にひとつ。

どういうわけか、逆バリ専門の「時鳥トレード」を提唱してきた私に対して、

「1月からの大相場でなぜ買わなかったんだ。たった6%なんて、もっと謙虚になれ」

と「お叱り」をなさってきた人がいます。

表現の仕方などが気に障ったのならお詫び申し上げるしかありませんが、

メルマガには逐一、詳しく書いてきたとおり、

私は本格的な「買い」については、あらゆる相場が「異常な安値」に沈んでいた、

3年間の政権交代の直前の時点で「大勝負」に出ており、

アベノミクス前半で累次の「買い」を思い切って断行し、

最後の「大勝負」として昨年10月にどんと買い込みました。

その全ての「手」がピタリとはまったおかげで、特に、

昨年末からの総選挙、政府PKO、追加緩和のコンボで資産を急拡大させており、

この3年間の「大相場」での「大勝利」をほぼ確定させています。

これは、安倍政権の意図を、誰よりも正確に読み切ってきた成果です。

今頃になって「大相場」だと騒いで動く理由は、私にはありません。

1月からの政府PKOによる無理に無理を重ねた上昇局面については、

いつでも大崩落の危険のある非常に「危ういもの」と認識しており、

1月16日に16500円台の「底」を正確にとらえた「買い」で利益を得た後、

少なくともリスクの高すぎる日経先物での上値追いは「危険」と判断して、

戻り局面での「売り」を待つ戦略に徹しています。

(私の「時鳥トレード」は「●●円まで上がる」という「予測」に基づくものではなく、

「●●円までくればいったん反発(調整)する」という「転機」をとらえるものです。

そしてそれは、これまでのところ常に正確であったことはご存じのとおりです)

特に、「先物」は危険極まりないですので、「安心、安全、堅実」な「転機」をとらえ、

迅速に勝負し、決して上値や下値を追わないのが私のやり方です。

「時鳥トレード」については、すべて、ブログやメルマガ開設当初から、

ずっと書き続けてきたコンセプトで一貫しており、一切ブレていません。

「時鳥トレード」はこのスタンスで今後も継続するつもりですが、

投資ポートフォリオ全体については、アベノミクスはもう終盤に差し掛かったため、

メルマガではもう、「次の時代」を考えた戦略を紹介しつつあります。

そんなわけで、ここからバブル化する可能性は否定しませんが、

だからといって私が本格的な「買い」を入れることは、まず、ありませんし、

少なくとも私が「先物」において、「買い」を煽ることになれば、

これまで書いてきたことに背き、読者の方々を騙すことになります。

これまでも、これからも、私の投資スタイルは不変であり、

一貫したコンセプトで貫いてまいります。

無論、読者の皆様の投資戦略はそれぞれであり、

ここからのバブルに向けて買いの仕込みをする方々のことを批判もしませんが、

少なくとも私はこうした考え方とポリシーでいることを念頭において、

私の申し上げることを参考にしていただければ幸いです。

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※本ブログは国際情勢、政治、経済に関する情報分析と、私自身の相場分析、トレード戦略をお伝えすることが目的であり、読者の皆様への投資助言、推奨のようなことは一切行っておりません。また、記事の内容には万全を期していますが、市場では常に「想定外」の事柄が発生する以上、その正確性を保証するものではありません。さらにいえば、相場予測が正しくても、それで勝てるとは限りません。読者の皆様が、本ブログの記事を参考にトレードなさり、損失を出されることがあっても、筆者はいかなる意味でも責任を負いかねますことをご承知おきください。いずれにせよ、投資においては自己責任が絶対の原則ですから、情報武装、知識武装、リスクヘッジに万全を期されることをお勧めします。皆様が大きな富をつかまれることを、心よりお祈り申し上げます。

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