「ブラック・スワン現象」は起こる。
「日経平均2万円」が目前です。
昨日は寄付後からぐんぐん上昇し、終値でも19700円台で引けました。
相変わらず、「先物・ETF」「値嵩株」そして「年金選考銘柄」の3点セットが強く、
政府による「株価吊り上げ作戦」が効果的に株価に反映されつつあります。
欧米株も上げてきており、現時点でこの「官製相場」を阻むものはありません。
政府が「チャートを作りに行く」つもりならば、理想的な環境といえるでしょう。
東京でも桜の開花宣言が出されましたが、首相官邸メンバーは笑いが止まらないはずです。
確かに、歴史的な相場ではあります。
18000円を超えたあたりから、株価形成の過程から合理性が消え失せてしまい、
政府が狙うとおりに、説明できない位置まで株価が吊り上がる展開が続いています。
日経平均とNYダウがほぼ同じ数字(18000)で並ぶ「日米パリティ」はすぐに終わり、
米国市場がアタマ打ちになる一方で、日本市場だけがぐんぐん上昇しています。
「米国よりも日本経済のほうに将来性がある」という合理的な理由はありませんから、
決して合理的に説明できない、非常に不可思議な現象が起こっているわけです。
これが、政府のコントロールを離れて上昇するようになれば、本当に危険です。
「ブラック・スワン理論」というものがあります。
「あり得ない、起こり得ない」と皆が思っていることは、いつか必ず起こります。
そしてそれは、急激に、過激に進行し、大きな悲劇につながります。
自然災害や金融危機、また、原発事故などの激甚災害を説明する概念です。
相場参加者の「集合意識」が「あり得ない」と思われる上昇を導いたら、
それは「バブル」というひとつの「悲劇」になってあらわれます。
その意味では、バブルもまた、「ブラックスワン現象」のひとつかもしれず、
日経平均は今、その「入り口」に立っているわけです。
先週も書きましたが、バブルの怖さは、人々から冷静さを取り去り、
「集団催眠」のようになって「欲」を最大限に増幅するところにあります。
それはいつ発生するか予測不可能であり、いつはじけるかも予測不可能。
そしてひとたび発生すればコントロールも不可能になります。
だから賢明な投資家は決してバブルに近づかないのです。
しかし、89年バブルの際は「株をやらない人間はバカ」「財テクしない経営者は無能」と、
夜な夜などんちゃん騒ぎをする人々から蔑まれて白い目で見られましたし、
何より取引銀行が率先して「借りろ、投資しろ」と圧力をかけましたから、
「賢明な人」がこれに抵抗して「私は踊りません」というには勇気が必要でした。
そのため、「とびきり賢い人」を除いて、賢い人もバカな人もみんながみんな、
国を挙げて、丸ごとバブルで踊りまくるという異常事態を演じた挙げ句、
あわれあのバブル大崩壊を引き起こしてしまったのです。
その結果として、その後25年間も地獄が続き、多くの人が家や家族や命をも失った上に、
日本は「アジア最強経済」の地位を中国に奪われることになりました。
この間、数十万人が経済的理由で自殺し、200兆円以上の国富が失われましたので、
やはりバブルの発生は大戦争に匹敵するほどの大災厄、「ブラック・スワン」でした。
しかし、その発生を予測した人はおらず、また、その崩壊も予測した人も、ほぼ皆無。
だから、怖いのです。
だからこそ、古今東西、どんな国のどんな政権も、バブルが発生しないよう、
慎重に、慎重に、注意して経済政策を行うことが「常識」なのですが、
ご存じのように安倍政権は決して行ってはならない「禁じ手」に手を染めているのに、
それを批判する声は「情報統制」によって非常に制限されています。
私が恐れる理由は、ここにあります。
私の分析では、現在の株価位置はすでに「異常値」に突入して久しく、
合理的に許容される範囲を大きく上回っています。
まだ、その「入り口」に差し掛かったに過ぎませんが、
このままコントロール不能の上昇へとつながれば、それはもうバブルです。
「ブラック・スワン」が発生するか、私はやや緊張して見ています。
ただ、メルマガ等で書いたように、私はこのまま一直線にバブル化していく可能性は、
高く見積もっても、まあ、半々くらいと考えております。
というのも、今週、来週と、大きな転機になるかもしれないファクターがあります。
直近で「転機」をもたらしそうな要因とそのタイミングについては、
前号メルマガ(第48号:3月22日発行)に詳しく書きました。
少し補足すれば、権利確定日と、本格的な統一地方選の選挙戦開始が同じ頃なのですが、
そのあたりで節目の株価に到達しそうという「偶然」があります。
選挙戦が始まれば、報道のスタンスはガラリと変わるものです(これまでは)。
報道の姿勢が変われば、官邸の株価操作の動機も少し変化してきます。
これらは市場のバブル化を防ぐ可能性のある大きな「関門」です。
ここを突破して、本格的なバブルに突入するのか、
あるいは「本来なら当然発生するべき」であった調整をこなすことになるのか、
よく注意して見てまいりたいと思います。
繰り返し申し上げますが、株価形成から合理性が失われてしまった今、
どちらに行くかは「予測不可能」であり、どちらのポジションも「丁半博打」です。
わからないとき、判断できないときは、相場からいったん離れるのが最上の戦略ですが、
あえて私が出動するとすればポジションがどちらになるかは、メルマガにはっきり書き、
また、今回は「安心、安全、堅実」なトレードではないこともあわせて書いております。
「日経平均2万円タッチ」の可能性は高くなっていますが、
買いで勝負される方、売りを待ち構える方、「休むも相場」を決め込む方と、
読者の皆さんの戦略はそれぞれにわかれていることと存じます。
ただ、どちらのポジションも、大きな危険をはらんだ微妙な局面にいることだけは、
常に念頭に置いておかれることが賢明かと思料申し上げる次第です。
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