情勢好転への「期待」。「暗転」への警戒。
昨日の日経平均は続伸。
前日の大幅上昇の後だっただけに、
さすがに利確の売りが出ましたが、
相場環境に特段の悪化の要素はなく、
1ドル109円台に戻した「円安」等が、
日経平均を底堅く支えたといえます。
一部に大きな決算悪化などがあっても、
全体的に底堅い印象があったのは、
相場環境が好転することへの「期待」が、
売りの意欲を削いだからと思われます。
売買高もまずまずの水準となっており、
これも続伸を支える材料といえます。
今後、「期待」がさらに具体的になり、
現実的に確固とした措置となって、
「米中対決」を緩和させていくならば、
さらに買いが続くものと思われます。
もっとも。
「期待」に裏付けられた上昇であるぶん、
それが裏切られることへの恐怖も、
株価が高くなるにつれ高まってきます。
中国に対する米国の大幅な「譲歩」は、
これまで米国政府・議会の空気とは、
まるで「真逆」の方向を示すものであり、
米国の国内政治上、それが可能なのかは、
今ひとつ不安が残るものといえます。
また、前号メルマガ（第289号：11月3日）で、
日本の国内政局の様子を詳述しましたが、
「ツーアウト」となった現在の改造内閣が、
この危機を切り抜けれらるかどうかも、
よくよく注意を要するところです。
昨日の衆院予算委はいくつかの点で、
ひやりとする場面はあったようですが、
野党側の追及に新味がなかったことと、
新たな大臣辞任は招かないような質問に、
多くの時間をとられたこともあって、
政権側がなんとかいなしたという印象です。
しかし、参議院の予算委員会のほうでは、
別の大臣が進退を賭る「失言」によって、
自ら窮地を招いたいることなどもあって、
審議が終わってみるまではなんともいえず、
これらの不安がクリアに解消されるまでは、
相場にも一定の「重石」となりそうです。
株価が高くなってきたからこそ、
情勢の「暗転」にはよくよく注意して、
今後の推移を見極めていきたいところです。
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