先週の日経平均は一時17000円割れ。

新型コロナが欧米で急拡散して、

全世界がパニックとなるなか、

あらゆるものが売られるという、

究極の状況に陥ってしまいました。

「ブラックスワン」は大暴れです。

無論、こうした状況を放置して、

市場が壊れたままにしないよう、

各国とも「玉」を準備中です。

米国が財政出動に踏み切りそうなのは、

ひとつ大きく「期待」が持てる話です。

FRBが巨額のドルを供給するなど、

主要国が協調的に金融政策をやるのも、

金融市場の金縛りを幾分か緩らげるため、

パニック的な「底抜け」というのは、

なんとか改善できる可能性はあります。

ただし、今回の下げの本質にあるのは、

新型コロナによる「経済災害」や、

それにともなう「政治リスク」、

また産油国同士の「潰し合い」など、

実体経済そのものが受けるダメージが、

途方もなく大きいためでありますし、

実際の被害がどれほど大きいのか、

またそれがいつまで続くのかが、

現時点で全く読めないことは、

前号メルマガ(第308号:3月15日)で、

詳しく点検してみた通りです。

ひとたび「パンデミック」化した以上、

欧米が「封じ込め」に成功しても、

地球のもっと別の地域において、

さらに大きな新型コロナの被害が、

発生する恐れがあるということも、

前号メルマガで指摘しましたが、

長期化する疫病との戦いを通じて、

さらに厄介な政治・経済の危機である、

「灰色のサイ」が顕現しかねないことも、

前号メルマガで具体的に指摘しました。

最大の「灰色のサイ」のうち一頭は、

間違いなく日本国内にもありますが、

安倍政権が打ちだす次の「玉」は、

これを考慮する必要があります。

頭を下げて主要野党の協力を得て、

新型インフル特措法を改正させ、

政治的に一息ついたばかりですが、

そうしたよりシリアスな課題もあり、

閣内に山積する問題事項とともに、

緊迫した綱渡り状態の政権運営が、

今日以降も続くのはほぼ確実ですので、

いったん下落の流れが止まっても、

それで青空が広がるわけではないのは、

よくよく肝に銘じておきたいところです。

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