「複合的ブラックスワン」と政権の「玉」。
昨日の日経平均は1000円超の下落。
新型コロナの世界的な拡大を受け、
先週からの「下値模索」が続く中、
朝方に発表されたGDP改定値が、
「年率7.1%減」とさらに悪化するなど、
悪材料が下落の流れに拍車をかけました。
そこにもうひとつ衝撃的な材料です。
サウジアラビアが突如、増産を決めて、
全世界で原油価格が大暴落してしまい、
金融市場がほぼ麻痺状態となりました。
この複合的な巨大ショックの影響で、
寄り付き後から2万円ラインを割って、
一挙に垂直降下をしてしまいました。
ドル円も大量のロスカットを誘発し、
1ドル101円台まで「円高」が進んでおり、
日経平均の下げを加速させています。
米国市場はさらに深刻な状況で、
感染の超スピード拡大の衝撃もあり、
昨夜のNYダウは2000ドル超という、
史上最大級の大暴落劇を演じています。
もはや「複合的ブラックスワン」です。
メジャーSQ週という事情もあって、
ただでさえ神経質になりやすいなか、
超ド級ともいえる不意なショックが、
いくつも同時に市場を襲っていますが、
もうひとつ注意をしておきたいのは、
今日、安倍政権が決める「経済対策」が、
市場の「期待」に叶うものかどうかです。
前号メルマガ(第307号:3月8日)では、
「期待」されるいくつかの「玉」について、
そのインパクトとともに触れていますが、
昨日の参院予算委の答弁内容を聞く限り、
政権側に「期待」を高めたいという意図は、
あまり感じられなかったように思われ、
これも市場を弱気にさせた要因のひとつ。
昨日の日経平均株価の終値では、
前号メルマガで指摘しておいた、
ちょうど例の株価位置で引けていますが、
このコンセンサスが維持できるかどうかは、
外部要因の極度の悪化ともあいまって、
懐疑的にならざるを得ないところです。
前号メルマガでも指摘した通り、
政権が繰り出す「玉」が拍子抜けとなり、
むしろ売りを誘う材料となるならば、
「水準」の「下スライド」もあり得ます。
市場は真の意味でも「最悪の事態」も、
シナリオとして浮上する恐れがあるため、
中途半端な買いは戒めたいところです。
いずれにせよ日本政府と日銀の動きをみて、
メジャーSQに何が起きるかを見極めつつ、
売買戦略を考えるべきかと思われますので、
甘い憶測をせず情勢推移を見守るべきです。
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