「アップルショック」と安倍政権の「暗雲」。
昨日の日経平均は大幅下落。
前夜の米国株の急落を受けて、
22000円ラインを割った後、さらに下落し、
一時、800円近い暴落状態となりました。
「アップルショック」は世界に波及し、
NYダウは昨夜も続落となりましたが、
ここまで大きな波乱の展開が続くのは、
米国をはじめ世界経済全般への、
根強い不安が暴落の背景にはあります。
昨日は公的資金の買いもあってか、
日経平均はパニックが一段落して、
引けにかけてじわじわと戻していますが、
安倍政権にも不安要因が目立っています。
昨日はペンス副大統領が来日し、
北朝鮮情勢などが話し合われましたが、
日米間の「貿易戦争」については、
特段、具体的な悪材料は出なかったものの、
貿易不均衡の存在に言及がなされており、
しっかりと牽制球は放たれています。
さらに前号メルマガ(第238号:11月11日)の通り、
明日から安倍総理の怒濤の「外交戦」が始まり、
中国、ロシア、豪州などとの交渉が続きますが、
いきなり暗雲が漂いつつあることも、
足元の不安要因のひとつといえます。
RCEPの実質的な「年内妥結」について、
日中両国が前向きであるのに対して、
インドが慎重姿勢を示したことで、
来年以降への持ち越しが濃厚となっています。
無論、「年内妥結」が断念されても、
来年以降の進展へと希望がつながれば、
安倍政権の切り札的な「玉」として、
今後も維持することは可能ですが、
当面の株価下落に対抗するには、
あまり役に立たないのは間違いありません。
また、中国やロシアと接近することで、
「外交戦」の成果を挙げるつもりが、
米国やインドという同盟国との間で、
ちぐはぐ感が出てくるようであれば、
来年に向けての暗雲は濃くなります。
国会で審議入りした「入管法改正案」も、
懸念の通り火だるまになりつつあり、
「11月相場」は「追い風」よりも、
「逆風」が目立ってきています。
ここをどう切り抜け、打開するのか、
政権にも日経平均にも正念場といえますが、
特に「外交戦」は相手があってのことで、
必ずしも成功が保証されるわけではなく、
まして「満額回答」はあり得ないだけに、
政権浮揚の見通しにやはり暗雲が漂います。
基本的には前号メルマガで書いたなかで、
懸念点のほうが浮上しているといえますが、
こうしている間にも情勢は急速に動いています。
英国とEUが離脱の基本合意を成立させる一方、
イスラエルはガザで軍事的に衝突するなど、
好悪入り乱れた話が同時に聞こえてきます。
こうしてどんどん出てくる新材料を織り込みつつ、
この先、日経平均が切り返していくのか否かを、
次号メルマガ(第239号:11月18日)で分析します。
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