昨日の日経平均はようやく反発。

前日終値付近を軸に乱高下をし、

一時は続落かとも思われましたが、

引けにかけてまた上昇に転じて、

終値では23500円ラインを回復しています。

前号メルマガ(第233号:10月7日)で指摘した通り、

日程が少し不透明だった日中首脳会談が、

今月、下旬にやっぱり開かれる方向と報じられ、

日中両国の市場に少し希望の光がさしました。

安倍政権が出す国内政策上の「玉」の効果と、

「外交戦」から繰り出される「玉」では、

それぞれ時間軸も効果も違うことは、

前号メルマガで指摘した通りであり、

できれば両方、揃って出てくるほうが、

日経平均には良いシナリオとなります。

昨日、後場に上昇基調へと転じたのは、

安倍政権の努力も無視できないものがあります。

しかしながら。

昨夜、懸念された米国株の「高値波乱」が起き、

昨日まで日経平均を支えていた相場環境は、

今後、根底から変化してしまいそうです。

安倍政権による内政外交の「玉」で、

それなりの上昇圧力が創出できるとはいえ、

日経平均が上昇基調を維持するには、

海外に波乱がないことが大前提であることは、

かねてからずっと申し上げてきた通りです。

とりわけ米国株の「高値波乱」については、

このところ警戒感が高まってきましたが、

昨夜は831ドルという史上3番目の下げとなり、

下げの理由が長期金利と「貿易戦争」という、

広範で長期にわたる構造的なものであり、

他の主要国や新興国市場への影響が、

どれほどのものになるか読めないだけに、

相当に注意する必要があります。

いずれにせよ本日の日経平均は、

相当にキツい下げを覚悟する必要があり、

この流れは世界的にも波及していきそうです。

トランプ政権がどう反応するかによりますが、

昨夜の下げが単なる「タントラム」に留まるなら、

前号メルマガ(第233号:10月7日)で指摘した、

「安値異常値下限」を目安に日経平均は切り返し、

一定の株価水準を維持する可能性はありますが、

米国、欧州、中国、新興国のいずれかに、

グローバルなシステミック・リスクを誘発し、

世界経済に長期にわたる混乱をもたらすなら、

日経平均をめぐる市場参加者のコンセンサスも、

しばらく溶解した状態に入る恐れがあります。

前号メルマガで懸念した「連れ安」の局面ですが、

そのまま世界経済の混乱が長期化すればするほど、

例の「逆・安倍カレンダー」のリスクも高まり、

日本の株高政策の行方も不透明になりますので、

日経平均の展望は様変わりしかねません。

米国の長期金利と「貿易戦争」によって、

ついに「高値波乱」が発生したことを受けて、

次号メルマガ(第234号:10月14日)では、

米国、欧州、中国、新興国それぞれの状況と、

安倍政権の国内基盤と「玉」の内容を総点検し、

今後の株価シナリオを分析する予定です。

いずれにせよ良くも悪くも「政治主導」です。

トランプ大統領をはじめ各国の指導者が、

このまま「宴の終わり」を許すのかどうか、

また、宴を続かせようとしたとして、

それが可能なのかどうかというポイントが、

今後の流れを決めていくと思われますので、

詳しくはまた次号メルマガのなかで。

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