内外の同時多発「不安」と国内政策の「玉」。
※北海道の皆様のご無事と、一刻も早い生活復旧をお祈り申し上げます。
昨日の日経平均も続落。
売買代金は膨らんできていますが、
「想定内」と「想定外」の双方が重なって、
次第に警戒モードが勝ってきました。
米国とカナダの再協議について、
若干、前向きな発言も聞こえますが、
「合意」が成立したからといって、
日本経済に良い結果をもたらすとはいえず、
とにかく結果をみて判断したいところです。
NAFTAという多国間の経済枠組なのに、
米墨、米加という二国間の協議となり、
しかも「強者」である米国が押し切るなら、
米中、米欧の「貿易戦争」に拍車をかけ、
日米協議の行方も怪しくなってきます。
また、トルコ以外の新興国の市場が、
大きくリスクオフに傾きつつあることも、
日経平均にとっての不安材料です。
「貿易戦争」と米国の利上げという、
いずれも米国発の要因によって、
世界全体のマネーの動きが変化しており、
脆弱な新興国には荷が重い状況です。
日本の災害リスクも無視できません。
大阪をはじめ近畿地方の台風被害の模様が、
世界中にショッキングな映像とともに広がり、
現実に関空の復旧見通しが立たないことで、
インバウンドへの影響が懸念されます。
今や世界的な観光地となった北海道が、
大きな地震で全道が停電したことなども、
観光収入を押し下げる不安要因です。
無論、前号メルマガ(第228号:9月2日)の通り、
災害が続発することで政府・与党の推し進める、
「国土強靭化」路線はより強固になりますから、
臨時国会に向けての期待は高まってきます。
内外で同時多発で不安が台頭しても、
パニック的な下げにはならない背景には、
国内政策の「玉」への期待が挙げられますが、
日本政府の具体的な動きを見極めるまでは、
海外投資家が買いを躊躇するのも理解できます。
すでに日経平均はかなり低い株価位置ですが、
悪い方の材料が破裂する懸念も燻っており、
下ブレは十分にあり得るところです。
安倍政権の「玉」が素直に反映されるには、
海外の不安が一段落する必要がありますので、
米加協議の行方なども踏まえて、
次号メルマガ(第229号:9月9日)において、
今後の展望を分析します。
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