インド太平洋の「グレート・ゲーム」。
昨日の日経平均は大幅上昇。
未明に米国で与野党が「急転直下の合意」をして、
「政府閉鎖」が解消されることになったため、
日経平均は再び2万4千円を回復しました。
また、日銀の決定会合は予想通り「現状維持」。
しかし、決定の中身よりも重要視されたのは、
その後の黒田総裁の「出口」についての発言です。
昨年末からの一連のメルマガでも書いている通り、
黒田執行部の動きは明らかに変化がみられ、
「その時」への準備は進みつつあるはずですが、
しかし黒田総裁は記者会見で固く口を閉ざして、
「出口」を想起させる材料を与えませんでした。
米国の「政府閉鎖」と日銀の決定会合という、
2つの「波乱要素」がひとまず去ったことで、
日経平均は2万4000円の「値固め」に成功し、
次の段階に移る可能性が出てきました。
ただ、まだまだ「先高感」は根強いとはいえ、
前号メルマガ(第196号:1月21日)でも書いたように、
そのまま一直線に上昇するのではなく、
適当なところで「調整」や「アク抜き」を挟みつつ、
「階段をのぼるように」行くのが自然な姿です。
米国の「政治リスク」がひとまず一段落し、
日本も「出口」への早期移行が明快に否定されたのに、
為替が円安方向に向かってはいないというのは、
やはり日経平均にとって「重石」ではあります。
仮にこのまま2万4千円の「値固め」に成功するとしても、
その後すぐ「調整」のいい頃合いが待っていますので、
「脳天気な上昇ムード」で思考停止しないことが、
こうした局面では大切なのではないでしょうか。
さて。
こうしている間にも、
国際情勢は猛烈な勢いで動いています。
昨年秋のトランプ大統領のドラマチックな訪中劇と、
昨今の北朝鮮をめぐる協調態勢から、
「蜜月関係」かとも思われていた米中両国ですが、
今年になってまた様相が変わってきており、
軍事的には南シナ海では激しく牽制し合い、
経済的には貿易戦争の兆候を示しています。
米中という世界の「2大強国」が、
くっついたり離反したりを複雑に繰り返し、
地球大の「グレート・ゲーム」も興じているわけです。
なにがなんだかさっぱりわからなくなりそうですが、
「インド太平洋戦略」というファクターを通すと、
かなりすっきりと頭に入ってくると思います。
戦前、欧州でめまぐるしい敵味方の入れ替わりを、
「複雑怪奇」だと言って辞任した日本の首相がいましたが、
今の東アジアに起こっていることも「複雑怪奇」です。
ただし、現在、我々の目の前で起こる「複雑怪奇」に、
日本の現首相は置いてけぼりを食らっているのではなく、
むしろ、「列強」として場面転換をリードする立場です。
いろいろと物議のある平昌五輪への対応をみても、
かなり戦略的かつ機動的に「ゲーム」を動かしています。
無論、こうした「ゲーム」に深入りすることは、
かなり危険な博打の要素も強いわけですが、
しかし日本の「明るい未来」というのも、
この「複雑怪奇」に打ち勝った先に広がっています。
日経平均の長期的な「先高感」の成否というのも、
こうした国際情勢に起因するところが大きいですので、
次号メルマガ(第197号:1月27日)では再び、
「インド太平洋戦略」について詳しく触れる予定です。
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