意外な「出口」の話と、新しい「グレート・ゲーム」。
懸念された「まさか」が3つとも(たぶん)「ない」となり、
段階的に日経平均も戻してきた今週でしたが、
ようやく元の「お馴染みの位置」まで戻したところで、
再び膠着化しつつあるようです。
無論、大型連休の前に多くの投資家が、
ポジションを解除しておくのは当然のことですが、
朝鮮半島情勢も米国の政界も「様子見」でしかなく、
「安心」が広がったとはいいづらい状況です。
実際、「危機」は全くもって去っていません。
以前から書いてきているように、
本当のヤマ場はもう少し先とみられており、
連休中に何があるかは特に要注意です。
特に北朝鮮の「処分」に関しては、
水面下でいろいろとびっくりするような話を聞きます。
米中は硬軟とりまぜた方策を駆使し、
北朝鮮の暴発を封じ込めつつある一方で、
意外な「出口」を模索しているとも聞きます。
軍事行動で金体制を滅ぼすのは簡単ですが、
「戦後処理」を安定的に進めるのは至難の業です。
また、米軍のほうからの軍事行動にともなっての、
韓国と日本の被害をどう緩和するかも焦点ですから、
米国の「玄人」達は実際に「あらゆるオプション」について、
慎重の上にも慎重を期して準備しつつあるわけです。
この先、半島情勢はもうひと山、ふた山ありそうで、
このままいけば連休の後くらいには、
次の「緊張のピーク」がやってきそうですが、
「玄人」達はもうひとひねりの工夫をこらし、
一連の危機の「出口」を探っているわけです。
連休明けの日経平均はこうしたことに、
極めて大きく影響されるのは間違いありませんので、
次号メルマガ(第158号:4月30日)に書きます。
もっとも。
米中が慎重かつ賢明に「出口」を模索しても、
米中以外の別のファクターが絡んでくるのも、
連休明けの半島情勢を複雑化させる要因です。
先週、新しい攪乱要因として前面に出たロシアは、
緊張の度を高める朝鮮半島や、
すでに盛大に発火している中東ではない、
別の正面(ユーラシア大陸の反対側)にも出現し、
米国の戦略を攪乱する動きに出ています。
ここにきてバルト3国を中心に、
軍事的な緊張が高まっているのがそれです。
ちょっとした「頭の体操」ですが、
米国が北朝鮮に軍事行動を起こした瞬間に、
ロシアがエストニアなどに軍事行動を起こせば、
世界情勢はどういうふうに推移するでしょうか?
ユーラシア大陸をチェスのボードに見立て、
超大国同志が軍事的な駆け引きをするという、
19世紀と20世紀にみられた「グレート・ゲーム」が、
今、まさに再現されつつあるわけですが、
かつての「グレート・ゲーム」の頃と違うのが、
ロシアの側が相手国の心臓部に手を突っ込み、
政権を揺さぶる手段を確保していることです。
米国でトランプ政権の足元が安定しない理由は、
まさにそこにあるわけですから、
東アジア、中東、欧州で同時に展開される駆け引きが、
米国で次の「まさか」を引き起こす可能性にも、
注意をしておく必要があるでしょう。
事態は同時多発で、
しかも目まぐるしくドラスチックに動いています。
大型連休中ではありますが、
やはり次号メルマガ(第158号:4月30日)を発行し、
「連休の後」の相場に備えたいと思います。
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