「ゲーム・チェンジャー」の出現か?
(午前0時の更新です)
昨日の日経平均は続伸しかけましたが、
引け間際にだいぶ値を消してしまいました。
依然として「様子見」の状況といえますが、
半島情勢の見通しが変わる可能性が浮上しています。
今回の「危機」の「主役」である米中二カ国とは異なる、
「ゲーム・チェンジャー」が出現しつつあるといえます。
ロシアです。
これまで半島情勢は「米中主導」でした。
とりわけ、先の米中首脳会談で、
両国間でなんらかの「役割分担」がなされたとみられ、
それが今回の「危機」をヒートアップさせたものです。
そもそも今回の「半島危機」というのは、
北朝鮮が中国の言うことを完全に聞かなくなり、
米国に対する挑発を繰り返したことに端を発します。
北朝鮮の態度に業を煮やした中国としては、
貿易・為替問題で米国との対立を避けたいこともあり、
米国の「軍事行動」を容認する可能性を示唆した上で、
米国と協同して北朝鮮を追い込みつつありました。
「役割分担」はわりと単純のようにみえます。
拳を振り上げるのが米国、説得に奔走するのが中国です。
米国が空母を近づけたり遠ざけたりして牽制する一方、
中国が飴と鞭を駆使して北朝鮮への説得を続けるという、
「米中協同」の役割分担の形跡がみてとれるわけです。
本来なら韓国がメイン・プレーヤーの一角を占めるべきですが、
5月初旬まで韓国は実質的に「政府不在」が続きますから、
米中両国で対処するしかないのは当然といえば当然です。
しかし。
昨日あたりからロシアという別のプレーヤーが登場し、
米中主導での情勢推移を攪乱し、妨害し始めています。
米中両国が合意に基づいて主導する限り、
「出口」、つまり「落とし所」はわりと単純ですが、
ロシアという変数がそこに加われば解は複雑になります。
ロシアは米国の軍事行動を阻止したいようですが、
仮に米国が先制攻撃を思いとどまるからといって、
それが東アジアの安定を招くわけでもありません。
また、ロシアの動向はトランプ氏の死命に直結し、
米国政府の中枢を揺るがしかねないことも要注意です。
ともあれ。
ロシアの登場で「軍事衝突」の懸念が多少和らげば、
一時的には市場に「安心」が広がるかもしれませんが、
しかし、東アジアの情勢はかえって複雑化してしまい、
トランプ政権の足元も大いに揺さぶられるのであれば、
後で、より「重大な結果」を招きかねない怖さもあるわけです。
このように、ロシアが「ゲーム・チェンジャー」となり、
今後の情勢推移を変える恐れが浮上しているわけですが、
当然ながらこれはこれは日経平均の見通しにとっても、
重要な変動要因になると思われます。
情勢は刻一刻と極めてダイナミックに動いていますので、
次号メルマガ(第157号:4月23日)で分析します。
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