安倍政権には「追い風」。
昨日の日経平均は続落。
寄付後しばらくは19500円前後の水準を維持し、
しばらく「様子見」が続くと思われた矢先、
北朝鮮の「ミサイル移動」が報じられるや、
次のショックを警戒するようにずるずる売られ、
引けてみれば19385.81円となりました。
新興市場は今年最大の下げを記録しており、
情勢をめぐる警戒感が市場を直撃しています。
焦点とされる9月9日が近づくにつれ、
米朝両国が繰り出す一挙手一投足に、
日本市場も激しく振り回されそうです。
北朝鮮情勢は「手詰まり」どころか、
「ゲームオーバー」の様相を呈しており、
戦争に訴えてでも金政権を黙らせるか、
戦争を避けて北の言うことを聞くか、
どちらか一方を選ばざるを得ないところまで、
追い込まれてしまった観があります。
日本国民は北が引き起こす騒動に、
もう20年以上も付き合ってきたため、
なんとなく今回もなし崩しにおさまるだろうと、
どこかピンときていない人も多いようですが、
20年前と今の北朝鮮の能力を比べると、
もはや雲泥の差があることは明らかです。
また、20年前の故・金正日氏ならば、
言動にそれなりの合理性が見い出せましたが、
現在の金正恩氏の度が外れた挑発ぶりは、
何が本当の目的なのか理解に苦しむところがあり、
「厄介さ」は数段、増してもいます。
もし、彼が「破壊のための破壊」を意図して、
こうした危険なゲームを行っているのなら、
そもそも対処の仕様がないことになります。
いずれにせよ、最高度の警戒が必要な局面です。
先週末の「水爆実験」以後の日本政府は、
極度の緊張感と警戒感のなかにあります。
政府中枢や霞ヶ関の戦慄ぶりをみる限り、
「まだ、市場の反応は穏やかだなあ」と、
私などは感じてしまわざるを得ません。
もっとも。
安倍政権にとっては「追い風」になっています。
「北風」という言葉がしばしば使われますが、
政権がピンチになるたびに北朝鮮が暴れて、
なんとなく政権が浮揚するというジンクスが、
今回もきれいにはまっているようで、
この最大級の「国難」を前にしては、
「安倍降ろし」の動きも表面化してきません。
加えて野党側に特大級の「敵失」もあります。
実は前原民進党はそれなりの「怖い存在」であり、
与党の人々は相当に警戒していたのですが、
新執行部の発足時にいきなりケチがつきました。
明日、発売される週刊誌に出るという、
民進党の「希望の星」のスキャンダルについては、
「密会写真がある」「たぶんクロ」という「噂」が、
昨日中に与野党議員の隅々まで行き渡ってしまい、
離党予備軍の数をさらに増やしたようです。
近日中に相当数の離党者が出るという話もあり、
前原執行部はそうしたことへの対処のために、
いきなり足元がぐらついています。
安倍政権にとってはラッキーな「追い風」です。
苦境が予想される秋の臨時国会でしたが、
「敵」が戦う前から自壊してくれるなら、
いかにようにも国会を乗り切ることができますし、
「伝家の宝刀」も選択肢として悪くなくなります。
日経平均の「足腰の強さ」というのは、
安倍政権の「足腰の強さ」と一定の関係があり、
9月以降の「相場の展望」を読むためには、
秋の「政局の展望」も非常に大事になってきますので、
次号メルマガ(第177号:9月10日)で詳しく分析します。
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