非常に奇妙な現象が観測されています。
(午前0時半の更新です)
昨日の日経平均は反落。
「2万円の攻防」が継続している状況ですが、
先週に続く2度目の2万円トライに失敗しつつあります。
今週の値動きは明らかに異常です。
実際、「アベノミクス相場で初めて」という、
非常に奇妙な現象が観測されています。
あまり大きな値幅で動いていないので、
なんだか市場全体が停滞しているように見えますが、
市場参加者のコンセンサスそのものには、
非常にドラスチックな変化が発生している恐れがあります。
そのため、「こうなるだろう」という憶測や予断が、
ほとんど通用しなくなってきているようです。
実際、多くの市場参加者も判断に苦しんでいます。
急上昇中の日本企業の「稼ぐ力」を勘案する限り、
日経平均がこのあたりにとどまるのはヘンです。
加えて言えば日銀をはじめ公的資金による、
精力的なETFや先物買いも観測されており、
それらを売り崩すような大きな動きも観測されません。
したがって、本来ならば目をつぶってでも買いを入れ、
株価が吹き上がるのを待つ局面ではありましょう。
しかし、そうした買いの動きはほとんどありません。
「異常事態」といってよい状況です。
最大の要因はやはり海外発の「不安」心理でしょう。
まずは米国。
「ロシアゲート」が危険水域に入ってきています。
トランプ政権の先行きに黄信号が灯り、
金も円も急騰している状況です。
昨年末から「トランプ相場」という「神風」で、
高値圏での推移が続いてきた日経平均には、
トランプ政権に「まさか」が発生したならば、
大打撃を受けかねないのは間違いありません。
そして、だんだんとその「まさか」というのは、
発生しないほうが「まさか」になりつつあります。
朝鮮半島情勢も不気味です。
米朝双方がそれぞれの要求を示したとみられ、
「落とし所」をめぐる交渉はヤマ場と思われますが、
「落とし所」で折り合わないと決まった瞬間に、
本当の意味でクライシスは発火するものです。
そこが以前から警戒してきた「本当のヤマ場」です。
現時点で米軍の動きには緊張の緩和を示すものはなく、
ついにはあの韓国の文大統領まで軍事的な危機感を表明。
明日、何が飛び出すかわからない状況が続きます。
いずれにせよ、要警戒です。
また、国内でも「改憲スケジュール」を睨む形で、
安倍政権が様々な「玉」を指示したようですが、
報道ではまだ断片的にしか出てきていないものの、
与党内のハレーションは予想外に大きいです。
実際、ちょっと看過できない話をいくつか聞きますので、
私としては慎重に整理して分析を進めていますが、
安倍政権の足元にはいくつか致命的な死角がありますので、
投資家たるもの過度な楽観は禁物かと思います。
こうした諸々の事情がありますので、
前号メルマガ(第160号:5月14日)のなかで私は、
いつもの「居心地のいい水準」について私は、
「コンセンサスが、根底から溶解する恐れ」を指摘し、
読者の皆様に警鐘を鳴らしていたものですが、
ここ数日、そう判断してもおかしくない現象が、
すでに実際の日経平均の値動きの中に現出しています。
こういう不透明で不確実な相場環境のなかで、
「私ならこうする」という「エントリー戦略」を、
前号メルマガでご紹介しておりますので、
興味のある方はご参照いただきたいところですが、
ともあれ、複数の「史上初」の事態が同時進行しており、
そのいずれの事態も後世の教科書に載りかねない事柄であり、
当然、日経平均にも巨大なインパクトを与えるものばかりです。
事態の推移次第で、相場を形勢する大前提が激変するのに伴い、
市場コンセンサスそのものが「溶解」してしまい、
しばらくの移行期、混乱期を経た上で、
全く新しいステージに移行する可能性というのも、
否定できない状況であることは間違いありません。
今後、どういうシナリオがあり得るのかということを、
次号メルマガ(第161号:5月21日)で詳しく分析します。
私自身は日本の未来をあまり悲観視していませんが、
大きな山や坂、谷や崖はいくつもやってくるはずですので、
そうしたことに振り回されて資金を吹き飛ばさないよう、
十分な慎重さが必要だと常に肝に銘じているところです。
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