日本市場、「黄金シナリオ」に足りないもの。
(午前0時の更新です)
昨日の日経平均は反落。
確かにトランプの「玉」が待たれる局面です。
なんとか19300円前後の株価は維持しており、
また、過熱感はとうに払拭されていますから、
「玉」の内容が「期待」を裏切らないものであれば、
日経平均は大きく上昇する余地はあるといえます。
しかし。
昨日も書いたように、
イエレン議長による利上げ発言を受けてもなお、
為替があまり反応しなくなっていることは、
私としてはやはり気がかりなことではあります。
トランプ政権の一連の経済対策と、
イエレン議長が示した引き締め方針で、
ダブルの円安圧力がかかっているはずなのに、
なかなか円を売る動きが広がりません。
また、「トランプ・バブル」への「期待」で、
NYダウは連日、史上最高値を更新する一方で、
金価格もじわじわと上昇を続けています。
基本的に米国株と金は逆相関になるはずですから、
これはやはり「何かおかしい」わけです。
「リスク・オン」を叫ぶ声がある一方で、
「リスク・オフ」にしがみつく投資家も多いことが、
今の相場の本質を物語っているのではないでしょうか。
日本市場には「黄金シナリオ」がまだ生きていますが、
しかし、それを成就させる前提条件がまだ、
きれいに整ったと言えないことは間違いありません。
日米首脳会談の「成功」と「勝利」によって、
最初の超荒波こそなんとかかわしたものの、
その後も連続して超荒波が来る可能性があることは、
前号メルマガ(第147号:2月19日)で書いた通りです。
日米首脳会談でかわしたのはあくまで「最初の超荒波」です。
通商・貿易政策も金融・通貨政策も、今後の協議対象です。
また、安全保障では「満額回答」を勝ち取りましたが、
金銭的な問題は別次元の話ではあります。
メルマガでも繰り返し書いている通り、
駐留経費の増額なら数千億円レベルの話ですが、
防衛費の増額なら数兆円レベルの話となります。
昨日、米国はNATO諸国に軍事費増額を要求しましたが、
東アジアの情勢が軍事的にも風雲急を告げるなか、
日本がGDP1%枠でいいと言われると考えるのは、
少し甘いような気がしないでもありません。
まだ、トランプ政権の「最初の100日」が経過しておらず、
明らかになった点よりは、不透明な点の方が多いです。
(おそらくトランプ氏本人の中でもそうなのでしょう)
以前から述べている日経平均の「黄金シナリオ」には、
まだまだクリアすべき前提条件が残っていますので、
次号メルマガ(第148号:2月19日)で分析する予定です。
リスク要因がほとんどない時には、
「押し目待ちに押し目なし」でよいと思いますが、
「不安」や懸念の要素がたっぷりある時には、
楽観より、ちょっと警戒し過ぎるくらいが、
結局は投資家として長生きするというのが私の信念です。
無論、良い「トランプ砲」で上昇するパワーに「期待」し、
攻めの姿勢をとるという戦略は否定はしませんが、
攻めるにしてもリスクの所在だけは知っておいた上で、
万一の時に退場しない方策だけは講じておくべきと思います。
そのあたりも含め、詳しくはまた次号メルマガで。
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