(午前0時の更新です)

「マッド・ドッグ」ことマティス国防長官の来日で、

日本側は安全保障面での「満額回答」をもらいました。

尖閣に日米安保を適用すると確約をとり、

駐留経費の増額は要求されないことで、

日本国内に安堵の声が広がりつつあるようですが、

軍事関係の協議では大事な内容はオモテに出ません。

米国が中国を牽制してくれたのは有り難いとして、

朝鮮半島で何かあった時に日米両軍がどう動くのか、

トランプ政権が対IS作戦をやるとなった時、

本当に日本側は何もしなくて良いのかなど、

「キモ」となる部分はやはり「霧の中」に隠れています。

思いつきで支離滅裂なことを口走るトランプ氏の言葉なら、

やがて政局や政策転換でひっくり返る可能性もありますが、

マティス将軍の頭脳が自衛隊をどんな「駒」と捉えたかは、

そのまま米軍全体の世界戦略に組み込まれ、

今後も長く固定化する可能性が高いと思われます。

米国が覇権国から降りつつあるのは間違いありませんが、

しかし、世界の軍事的脅威が減ったわけではありません。

軍事面ではちょっとキナ臭い話も耳にしますので、

次号メルマガ(第147号:2月12日)で触れます。

さて。

安全保障の「満額回答」という「ご下賜品」を貰った上で、

安倍総理ご一行は今週、米国へ仰々しく赴きます。

一国の政府中枢が丸ごと米国に移動するなど、

明治の岩倉使節団以来のことかもしれませんが、

つまりはそれだけ重要な話がなされるということでしょう。

訪米を前にした安倍総理の涙ぐましい苦衷の内幕を、

前号メルマガ(第146号:2月5日)に書きましたが、

あれでご勘弁して貰えればまあ「御の字」でしょう。

実際、経済政策でも「満額回答」をもらえるならば、

日本市場も「黄金シナリオ」の可能性はあります。

もっとも、ここ数日の米国の様子をみる限り、

「まさか」の可能性は小さくなったとみられますが、

しかし、あのトランプ氏ですから、

交渉の駆け引きとして「まさか」の要求を突き付け、

日本側を揺さぶる可能性はまだ十分にあります。

どんな「まさか」もあり得る時代です。

特に安全保障面で「満額回答」をもらった後に、

その代価代償を求められないほうが不自然ですから、

法外な「請求書」が待っている可能性も否定できません。

前号メルマガで詳しく解説したように、

トランプ氏の「請求書」が金融政策に及ぶようであれば、

内容次第では日本政府も日本経済も凍り付きますから、

日米首脳会談が終わって結果が判明するまでは、

そう簡単に強気になれないのは仕方ありません。

というわけで「運命の一週間」です。

人によっては「大きなチャンス」が来そうですが、

SQだったり、日銀会合の意見が公表されたりと、

ただでさえ市場が敏感になっている週の最後に、

これだけ大きなイベントが待っているわけですから、

どんな値動きになるかの予測は極めて困難。

・・・というより無理です。

投資家もそのつもりで備えておくべきかと思います。

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