「ヒラリー大統領ならば上昇する、、、とも限らない」?
(午前0時の更新です)
17000円あたりで日経平均がもつれることは、
前号メルマガ(第129号:10月9日)にも書いたように、
不思議ではない動きではあります。
逆に言うとSQ週の中日にもかかわらず、
不思議ではない動きになったということは、
今の市場参加者の心理をよく示していると思います。
ひとつは、ここ数か月の傾向として、
ヘッジファンドの仕掛けに対して、
個人投資家が右往左往しなくなっていること。
ふたつめは、そのヘッジファンドも、
「日銀砲」などを警戒して仕掛けづらいこと。
そして何よりも、
相場環境、特に政策要因が根底から変わりそうなため、
機関投資家も個人投資家もそれを見極めるまでは、
売り買いともにポジションをとる根拠がないことです。
次期大統領がヒラリー氏かトランプ氏のどちらかで、
米国の基本政策がごっそり変わりそうであることは、
多くの人が感じているところではありますが、
では、ヒラリー氏であれ、トランプ氏であれ、
どちらかが政権を取った後の経済政策はどうなるのか、
具体的なことはほとんど議論されていません。
これはすなわち、
「どちらがより醜悪で無能な候補か?」という、
低レベルのネガキャン合戦が続いた悪弊です。
確かに、サプライズでトランプ大統領が誕生すれば、
一時的にでも市場の攪乱要因になる可能性があります。
しかし、だからといってヒラリー大統領が誕生すれば、
米国及び世界の景気が上昇するかどうかは別の話であり、
少なくとも現時点でヒラリー政権下の相場について、
十分に判断できる材料がないというのが正直なところ。
実際、メルマガ読者の皆様はご存じのように、
私は「トランプショック」の発生を警戒しつつも、
実際はビジネスマンのトランプ氏のほうが、
話がわかる大統領になるかもしれないと書きましたが、
今になって、
「引き締め政策をやりかねないヒラリーより、
マーケットフレンドリーなトランプが望ましい」など、
「トランプショック」よりもむしろ、
「ヒラリーショック」を警戒する人も出てきています。
少なくとも、
「ヒラリー大統領ならば上昇する、とも限らない」
という見方は、一定の説得力を持っているように思います。
そもそも、米国市場はまだ「高過ぎ」ますから、
ここからさらに上昇するほうがヘンであり、
いったん調整させたほうが自然であり、健全です。
どういう内容であれ、政策変更が行われるならば、
それが下げ要因になり得る状況ともいえます。
前号メルマガや昨日のブログにも書いたように、
「10月暴落」の懸念はだいぶ和らぎましたが、
市場の関心は「その次」に移りつつあります。
米国に関していえばそれは、
イエレン議長による「年内の追加利上げ」の有無や、
「ヒラリー政権下での引き締め」の有無と回数に、
移りつつあるように見えます。
そして、いずれにせよ「引き締め(利上げ)」とは、
自然な形に沿うよう景気を循環させるためのものであり、
調整すべき時に調整しないと、
やがてそれはとんでもない悲劇につながります。
市場の先読みをしていくにあたっては、
こうしたことへの理解が不可欠かと思います。
日本は、この年末年始に「超大玉」が予想され、
内容が「期待」以上だったり、失望を招いたりと、
上下どちらのサプライズもあり得る状況ですが、
米国の景気の波や、景気循環を狙った政策転換もまた、
日経平均にとって大きなインパクトがあります。
年末に向けて、また、来年早々の相場がどうなるかは、
こうしたことも勘案する必要がありますので、
次号メルマガ(第130号:10月16日)で分析します。
経済には、まず、景気の大きな波があります。
その上で、一時的な攪乱要因が発生して、
高すぎたり、安すぎたりする値段が付くわけで、
そこに投資のチャンスがあると私は考えます。
「投資の妙諦」とはこの呼吸とタイミングを、
いかにうまくとらえるかにあると思います。
ヒラリー氏になるかトランプ氏になるかで、
この呼吸とタイミングが変わってくるはずですが、
私の「冬ごもり」の全部もしくは一部解除は、
そのあたりを勘案して行うつもりですので、
この話もまた次号メルマガで。
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