大統領選後の「まさか」について。
いよいよ「選択の日」。
「ヒラリー優勢」の見方が強まっています。
「FBIショック」がかき消されたのをきっかけとして、
昨日の日経平均は買い戻しによる大幅高。
市場は米国大統領選「後」を見据え、
一歩先駆けて動き始めたようです。
もっとも、「英国ショック」の際には、
直前までの世論調査はアテになっておらず、
今回の大統領選でも同じことが起きることを、
完全には否定できない不安があります。
普段から政治意識の高い人々はヒラリー支持でも、
世論調査に答えない男性、労働者階級の多くが、
今回はトランプ支持に回る可能性があり、
その数がどのくらいか読み切れない悩みがあります。
実際、選挙戦最終盤に両候補の支持が拮抗したのは、
FBIによる捜査再開が報じられる前の話であり、
ヒラリー氏が有罪かどうかとは関係なく、
「今回はトランプ」と決めた人が多いわけです。
この点について納得できる情報がない以上、
やはり「まさか」の発生には注意すべきと考えます。
もっとも、「トランプ勝利」を確定する材料も、
別に出ているわけではありませんから、
「トランプショック」に備えたポジションが解除され、
買い戻しによる大反発が発生したというのも、
それなりに合理性がある話ではあります。
では。
「ヒラリー勝利」となった後、
どこまで日経平均も上昇していくのでしょうか?
前号メルマガ(第133号:11月6日)では、
「ヒラリー勝利」で上昇しても不思議ではないラインを、
「居心地のいい水準」から割り出していますが、
昨日、「FBIショック」が雲散霧消し、
市場が「ヒラリー勝利」を織り込んだことによって、
そのラインに近接するところまで一気に寄せました。
問題は、このラインから上の上昇があるかどうかです。
前号メルマガでも詳しく述べたように、
端的に言えば「不透明」というしかありません。
まず、「ヒラリー政権」の経済政策が、
良くも悪くも詳しくわかっていません。
おそらくオバマ路線を継承する形で、
手堅く堅実にやるものと言われていますが、
しかし、そういう経済政策しかないのであれば、
それで華々しい上昇力があるようには思えません。
一言で言って、判断する材料に乏しいのです。
一方、日本政府が年末年始に準備している「玉」は、
日本経済を別次元に押し上げる可能性があるほど、
その潜在力には強力なものがあります。
しかしながら、「12月ショック」が囁かれているように、
海外要因で市場が大荒れになる恐れも常にあります。
厄介なのは波乱要因のひとつが「ロシア」であること。
上にも下にもどう転ぶかわからない材料が、
国内にも海外にも多数、転がっている状況で、
市場は「大統領選後の世界」を迎えます。
投資において、
「当然、ここまでは上昇する」というラインまで追い、
「安心、安全、堅実」に利確していくことと、
「爆騰も、暴落も、どちらもあり得る」という局面で、
どちらか一方にポジションを傾けることは、
意味合いが全く異なりますので、
上昇を「期待」して強気になる方も、
あくまで手堅くいきたいという方も、
何が「確定的」で何が「不透明」なのかは、
チェックしておかれることが賢明かと思います。
もっとも、私としては、とにもかくにも、
今日の大統領選の結果を見極めた上で、
今後のことを判断して参りたいと思います。
大統領選の結果が判明し、
「勝者」がどういう発言をするかを見てから、
「想定外の上昇がある場合」
「梯子を外されて暴落する場合」
のそれぞれの可能性について、
次号メルマガ(第134号:11月13日)で考察します。
現状では大統領選が終わった後、
上下どちらにも「まさか」があり得ます。
そう簡単な相場ではないことだけは、
心を引き締めて臨むことが賢明だと思います。
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