順番でいえば、次は政府側が「玉」を繰り出す番です。
お休みで多くの国民が楽しんでいる間、
熾烈な攻防が続いたゴールデンウィークでした。
本邦勢の力が弱まるのを見越して、
海外勢が為替を中心に明らかに投機的な動きをし、
これに総理、財相、日銀総裁らが「口先介入」で対応。
瞬間的に105円台まで進んだ円高をなんとか107円まで戻し、
日経先物はギリギリで16000円台をキープしています。
とにもかくにも、激しいつばぜり合いでした。
前号メルマガ（第107号：5月8日発行）でも書きましたが、
順番でいえば、次は政府側が「玉」を繰り出す番です。
すでに日ロ交渉という「大玉」が飛び出し、
選挙戦と景気・経済への一定のプラスを演出しました。
今週には、熊本・大分地震に関連した補正予算が、
国会で緊急上程され、早期通過する見通しです。
ただ、4月の後半にかけて日経平均が吹きあがった際に、
官邸周辺で勇ましく語られていたいくつかのアイデアが、
いつ、どんな形で出てくるかは未知数です。
本来なら、もう出ていておかしくない「玉」が、
未だに与党内での検討と調整の最中であるなど、
私としては「少し遅いな」との懸念も感じ始めています。
アイデア段階で、申し分ないインパクトのある「玉」こそ、
大抵の場合、政治的なハードルが高く、実施が困難ですので、
各方面の調整を通じて「玉虫色」の内容になり、
なんだかよくわからないものになってしまうものです。
安倍政権への「期待」は、そうした不決断や優柔不断を排し、
迅速、かつ、巨大な「大玉」を繰り出すことですが、
こと「構造改革」に関していえば、これまでの3年間、
政権は、やや、ゆっくり目の調整型政治を続けてきました。
第1次政権で「構造改革」を急ぎ過ぎ、
半年も経たずに政権が崩壊したトラウマもあるのでしょうが、
アベノミクスが最大の危機に陥りつつある今、
市場、特に海外勢が不決断や優柔不断さをどう評価するか。
「期待」で上がったぶんは、「期待」が裏切られたら、
きっちりと巻き返して下落するものです。
来週にはいよいよ「正念場」が控えています。
いずれにせよ、
政府側が何をやってくるかをよく見極めたい一週間です。
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