政治家にとっても最も大切な資質とは何か。
(午前0時半の更新です。)
日経平均は17000円を挟んで膠着状態となりました。
G20を受けた各国の金融政策の効果は、
少なくとも数週間は続くとみられていますので、
現時点で世界市場が即時クラッシュする懸念は和らいでいます。
また、政府・日銀にはさらなる「玉」も「期待」されており、
うかつに売り込むと大怪我をしかねませんから、
売り方も様子見にならざるを得ません。
一方、日本経済の足元は悪いです。
指標が出るたびに官邸はため息をついていますし、
増税延期の環境作りのため「経済危機」を喧伝すればするほど、
それがまた市場のマインドを冷やす悪循環となっています。
「世界4極(日米欧中)」の金融政策で押さえ込んでいるとはいえ、
昨年秋からクローズ・アップされた「危機」は解決されておらず、
テロや戦争などへの懸念が市場参加者の買い意欲を削いでいます。
結果として、買い方も様子見にならざるを得ません。
連日、東証の売買代金は2兆円を大きく下回り、
「雪解け」はしたものの市場全体が閑散としており、
売り買いともに「決め手」のない状況での膠着状態です。
まあ、こういうことはよくあるものです。
しばらく膠着し、ヨコヨコの状況が続いた後、
突如、材料が出て「大きな動き」になるというのが、
いつものパターンです。
「休むも相場」という言葉がありますが、
こういう時に焦っても仕方ありません。
焦りや欲から根拠もなくポジションをとれば、
たいていの場合、後で蟻地獄にはまることになります。
前号メルマガ(第100号:3月20日発行)で書いた展開ですので、
淡々と、気を揉むこともなく「天の時」を待ちたいものです。
ところで。
「政治家にとって最も大切な資質」とは何でしょうか?
出自?
学歴?
弁舌?
ルックス?
野心??
精力???
どれも重要(?)ではありますが、
永田町の住人なら大半の人が、
「運」
を挙げるでしょう。
どんなに優秀でも、どんなに努力をしても、
運が悪ければ全部パーです。
逆に、たいした努力はしていなくても、
運が良く、なんでもうまくいく人もいます。
小泉総理大臣の「豪運伝説」は有名でしたが、
その後継者であった第1次政権時の安倍総理は、
どうみても「不運の宰相」でした。
思い切った改革を断行したのはよいものの、
「消えた年金問題」や閣僚の連鎖スキャンダルに苦しみ、
側近達の未熟さもあいまって短命政権に終わりました。
しかし、第2次安倍政権はその反対に、
とても運のいい政権としてスタートしました。
第2次政権が発足したのは2012年の年末でしたが、
この年は「グローバル・ローテーション」という表現で、
世界中が「リスク・オン」に傾いており、
何かをやる前から「世界景気の回復」という「神風」がありました。
実際、2012年後半、民主党政権の末期の段階でもう、
日本の株価は上昇の兆しをみせ、景気は回復し始めていたのです。
こんななか、いくつかの偶然とハプニングが重なって、
2012年秋の自民党総裁選に「大番狂わせ」が起こり、
瓢箪から駒のように誕生したのが第2次安倍政権です。
誕生の経緯も「幸運」でしたが、
発足時に世界経済回復の神風が吹いた「幸運」もあり、
「アベノミクス」はその政策的効果が検証される以前に、
猛烈な株高・不動産高のトレンド形成に成功しました。
そこには、安倍総理の努力と研鑽もあったでしょうし、
官邸のブレーン達の優秀さももちろんありますが、
しかし、「運」が悪かったら何をやってもダメだったはずです。
その後の「運の良さ」も第1次政権とは対照的でした。
政権運営もアベノミクスも、
失速の兆しが出てくると必ずどこかで「神風」が吹いて、
見事に形成を逆転してきたことは、
総理に批判的な方々でも素直に認めざるを得ないでしょう。
しかし、その、安倍総理の「運」に「?」が灯りつつあります。
甘利ショック以後の閣僚・与党議員のスキャンダルは、
確実に国民の怒りを呼び覚ましつつあり、
「第1次安倍政権末期に似てきた」という人もいます。
不運なことは続くものです。
「100万票単位のブームになる」として、
参院選の「台風の目」に擁立した大型候補に、
次々と大型スキャンダルが発生しているのですから、
「総理の運も尽きたか」と永田町雀は心配しています。
もっとも、絶体絶命と思われたところから、
ご本人の努力と関係ないところから神風が吹き、
何度も息を吹き返してきたのが第2次政権以降の安倍総理です。
こんなところで運が尽きるようには思えませんが、
しかし、総理の運が尽きたならば、
政権も株価もオシマイであることには変わりありません。
総理は5月にかけて大勝負に出ると聞いていますが、
さて、その「丁半博打」の結果はどうなるか。
いずれにせよ、運の良し悪しで天地の差が開きます。
私は占い師でも予言者でもありませんので、
運については何も断言できませんが、
幸運、不運それぞれのシナリオは見立てることができます。
次号メルマガ(第101号:3月27日発行)で分析します。
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