この危機はいつまでか?
昨夜の欧米時間にもこれといった好材料は出ず、
世界同時株安となりました。
NYダウは350.33ドル安と2年ぶりとなる下げ幅です。
週末に突如持ち上がったギリシャのデフォルト危機は、
まず、東京市場を、そしてそれ以上に中国市場を大荒れにし、
欧州、米国と地球を一周した恰好です。
昨日の東京市場もやはり大荒れになりました。
下げ幅一時600円超という大暴落です。
昨日もツイッターで逐一つぶやきましたのでおわかりのとおり、
寄り付き前から「ショック安」になることはわかっていましたので、
いつもどおり「ショック対応」で売りエントリーをしました。
(ただ、朝の段階で、私はちょっとミスをしてしまいました)
しかし、お昼には「セオリーどおり」のエントリーをした後、
上海の暴落と連動した売り方の仕掛けがうまく決まりましたので、
20295円の売り玉を、引けで20100円で利確することができました。
ミスのぶんを差し引いて、トータルの利益は165円幅。
せっかくの暴落劇なのに、ちょっと残念ではありますが、
いつどんな形で相場が反転するかわからない「政策相場」ですので、
とりあえずは昨日の引けでクローズをして様子をみています。
手法としての「ショック対応」はきちんと機能しました。
ミスさえなければこの手法でもう少し利益を得ていたはずで、
「売りで入る」という方向性は正しかったのは間違いありません。
もっとも、「ショック対応」といっても新しい読者にはわからないでしょう。
週末や夜中に海外で「ショック安」要因が発生したときに、
いかに「安心、安全、堅実」に利益をとるかというやり方です。
古くからの読者の方は何度も聞いた手法でも、
最近の読者の方はご存じないかもしれませんので、
次号メルマガ(第63号:7月5日発行)で「ショック対応」のやり方を再掲し、
なぜ、今回、売りをこの位置で仕掛けようと思ったかという理由を、
時系列で詳しく書かせていただきます。
(今回の私のミスについても詳しく書きます)
「ショック安」は年に何回か必ず発生しますので、
皆様の、今後の参考になるのではないかと思います。
それにしても。
昨日は、後場からきれいな下げトレンドを描きましたが、
やはり、「予見不可能」な難しい相場です。
「ギリシャ政府」の「数日待って!」という要求を再建団が厳しく拒否し、
6月30日の「デフォルト必至」となったことで東京市場は大いに荒れましたが、
しかし、7月5日に国民投票が行われたら、
おそらく7割近い「ギリシャ国民」が「ユーロ残留」を望み、
債権団の突き付けた改革プログラムを受諾するとみられています。
ということは、昨日から荒れているのは、
関係国の政府同士、政治家同士の面子をかけた駆け引きのせいで、
「数日間のデフォルト」が発生する間隙に乗じた「不安心理」のせいです。
いわば、「ユーロ残留」を前提にした「出来レース」なのに、
政治家同士(メルケルやチプラスら)が派手な大立ち回りを演じてみせ、
これに乗じたヘッジファンドが先物を中心に売りを仕掛けているだけの話。
ギリシャのような小国が「数日間のデフォルト」をすることが、
それほど深刻な影響を世界経済に及ぼすものなのかよくわかりませんが、
ともあれ久しぶりの「下げイベント」でヘッジファンドが暴れています。
前号メルマガ(第62号:6月28日発行)では、本当の意味で事態が悪化し、
世界経済全体が「最悪のシナリオ」に至るケースも書きましたが、
まだ、そのはるか手前で、安っぽいチャンバラをやっている段階です。
本当に「最悪のシナリオ」になればうんと下げるでしょうが、
まだ、世界経済、欧州経済の金融システムは特にダメージを受けておらず、
国民投票になればギリシャはユーロに残留するのが確実というのであれば、
いずれにしてもこれは、終わりのある一時的な危機です。
欧州首脳間の「出来レース」が「しゃんしゃん」となった瞬間に、
日経平均はまた高値を目指して上昇する可能性があると私は考えています。
すでに素案が示された「成長戦略」と「財政再建計画」に対して、
メディアやアナリストはさんざんな評価を下していますが、
少なくとも「短期的な株価への好影響」という意味では、
マーケットは必ずしも低い評価をしてこなかったことは、
先週の株価の動きをみてもわかるとおりです。
とりわけ、前号メルマガで詳しく書いたように、
文字になっていない「影の成長戦略」ともいえる部分は、
世界の投資家はそれなりに評価をしています。
今回はやはり、安値から安値へと売っていくことには、
慎重になって相場を眺めていきたいと思います。
無論、今日あたりはまだまだ荒れるかもしれません。
NYの荒れを引きずる形で相場が開けば、
昨日、ツイッタ―でつぶやいたとおり、やはり2万円の攻防でしょうか。
「中国市場で追加緩和が効かなかった」というショックもあり、
世界同時株安がどこまで日本市場を荒らす材料になるか見極めたいところ。
もちろん、主要銀行が破綻したり、別の国に債務危機が波及したりと、
思わぬところから「新たな危機」が出現し、
それがそのまま「最悪の事態」に至る可能性もなくはありませんが、
そういったことがないままこの大荒れが一段落すれば、
また、「熱い夏」が帰ってくる可能性があると考えています。
(あくまで、現時点の材料に基づく見立てですが)
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時鳥さんのブログ毎日拝聴しています。
本日の記事は大変参考になりました。
正にブログに書いてある通り、ギリシャ問題は金融システムの崩壊ににあるほど重大ではなく政策相場の鉄火場であるとのご指摘は的を得ていました。
本日のナイトセッションにてギリシャ首相がユーロ圏に譲歩というニュースが流れた途端、日経先物は急騰し始めました。安値での売りには注意ということがよくわかりました。