「封じ込め」と「経済災害」と日経平均。
昨日の日経平均は反落。
米国の株高が一段落したことで、
上昇の圧力がだいぶ削がれました。
そこに武漢の交通が遮断されるなど、
新型肺炎のもたらす経済的な実害が、
市場参加者にも強く意識された結果、
日経平均は前日の上昇分を消しました。
武漢の封鎖が成功裏に進むことで、
新型肺炎を封じ込められるならば、
ひとつの朗報かもしれませんが、
すでに中国の3分の2に拡大し、
日米などでも発見されたこの病気が、
どの程度の感染力と毒性にとどまるか、
よく見極めたい心理は自然といえます。
封じ込めは可能であるといっても、
巨大都市や国家をほぼ丸ごと、
封鎖する必要性があるのであれば、
それ自体がすでに「経済災害」です。
封鎖地域は拡大されつつありますし、
中国政府が発表している内容への、
根本的な部分の疑心暗鬼もあって、
まだ能天気な空気にはなり切れません。
それから、日米の国内政局も、
イマイチ強気になれない要因です。
トランプ政権は上院の弾劾裁判で、
安倍政権は通常国会の運営で、
それぞれ「勝負どころ」です。
米国の弾劾は成立する見通しがなく、
政権の存続は確定的ではありますが、
「次の大統領選」を睨んだときに、
今の議会戦術でいいのかどうか、
ちょっと疑念も沸いているようです。
また、日本の通常国会の方は、
野党側の「オウンゴール」もあり、
第1週の代表質問での波乱がなく、
補正予算の審議を迎えますが、
それはつまり衆参の予算委に、
総理自身が立つことを意味します。
年度末を睨んでの駆け引きが、
楽になったとは到底、言えず、
どう国会運営を切り抜けるかは、
市場にも大いに影響しますので、
次号メルマガ（第301号：1月26日）で、
これらの新しい要素を盛り込んで、
今後の相場の展望を分析する予定です。
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