(午前0時半の更新です)

昨日の日経平均は小動きに終始。

日銀のETF買いへの期待もあって、

大引けでは少し反発していますが、

東証1部の売買代金はまた2兆円を割り、

投資家の「様子見」は継続しました。

日経平均は例の「分水嶺」を超えたため、

通常ならばそこがサポートとなる形で、

底堅く推移するパターンになるものですが、

いかんせん「材料次第」の相場です。

英国のEU離脱問題は欧州首脳会議を前に、

皆が納得できる「説明」をまだしておらず、

本当に「合意なき離脱」が回避できるのか、

ちょっと危ぶまれているような状況です。

英国政府の「粘り腰」の努力によって、

「最後の手段」の可能性が残っているため、

「たぶん最悪の事態は回避される」という、

そこはかとない楽観論が広がったことが、

先月来の上昇のひとつの要因ですが、

前号メルマガ(第259号:4月7日)で指摘した通り、

「策士、策に溺れる」ことは過去にも多々あり、

不運にも非常に人間臭いミスが重なることで、

歴史が暗転することはしばしばあります。

実際、メイ政権はまだ「最後の手段」について、

何もはっきりと明言してはいませんから、

「まさか」を警戒する心理が広がるのも当然です。

また、そうして緊張する欧州に対して、

藪から棒にトランプ政権がまた貿易紛争を仕掛け、

市場心理を冷ましてしまってもいます。

このトランプ砲は内容的にも「悪い材料」ですが、

タイミング的にも冷や汗が出るような話です。

「ハード・ブレグジット」の衝撃に加えて、

「米欧経済戦争」が再燃するという状況で、

欧州経済が正常さを維持できるかどうかは、

なんびとも想定すらしなかった事態です。

実際、すでにNYダウは下がっていますが、

この後の推移によってはちょっと大きな衝撃が、

日経平均にも押し寄せる恐れはあります。

ともあれ「最悪の事態」が発生しないよう、

祈るほかはない情勢になっていますが、

「悪い材料」が出たらそれを冷静に認識し、

適宜適切に判断し、動くしかありません。

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