米国のイラン核合意離脱の影響を受けて、

昨日の日経平均は99.81円の下落をしました。

中東情勢が不安定化するのは必至であり、

朝鮮半島情勢にもやや影を落とす話といえますので、

市場がいったん警戒モードに入るのは当然です。

また、日米韓首脳会談の実現は画期的ではありますが、

昨日出された内容があまり具体的でなかったため、

市場の反応がイマイチだったということもあります。

もっとも、原油価格はだいぶ上昇していますが、

心配された円高が発生していないことは、

日本市場にとってはひとつの救いといえます。

日経平均の下落幅はそう大きなものではなく、

むしろしっかりとした印象すら抱かせたことは、

相場環境がGW連休前とは大きく異なってきたことを、

物語っているといえるのではないでしょうか。

昨夜の米国市場はイラン核合意離脱にもかかわらず、

むしろ上昇する動きを示していますから、

イラン問題がきっかけで日経平均が崩れていくことは、

当面のところないものと考えられるところです。

ただし、青空が広がっているかというと、

まだ、そういう段階でもないようにみえます。

いかんせん、安倍政権は「茨の道」です。

南北首脳会談で演出された「雪解け」と比べ、

ここ数日、北朝鮮の言動に微妙な変化がみられ、

米朝会談を前にした水面下の駆け引きが、

かなりシビアな段階にあることを示唆しています。

安倍政権が狙う「神風」への期待をつなぐには、

米朝間の合意成立は不可欠ですので要注意です。

今日は国会に柳瀬元秘書官が招致されて、

「記憶違い」について野党の追及を受けますが、

一連の疑惑がこれですっきり解消するのかどうか。

国会は野党が完全分裂をしたことで、

与党ペースで法案審議が進みつつありますが、

疑惑は疑惑であり、火種として残っていますし、

とりわけ海外投資家はこういうことを嫌いますので、

すっきりと火消しできるかどうかは大事です。

いずれにせよ安倍政権の強さと日経平均の勢いは、

かなりの程度、相関関係があるのは確かであり、

先月からの「反転攻勢」を進めている安倍総理が、

この「茨の道」をどう切り開き、前進するかに、

最大限の注意が必要な局面であろうと思われます。

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