「政治の夏」に出てくる「玉」。
昨日の日経平均は5日ぶりに反落。
先週来の上昇がやや急であったということ、
難所とみられる23000円ラインに近接したこと、
中国市場などが再び軟調気味になったことなど、
下げた方が自然という条件が重なったわけですが、
下落幅は29.51円と小さくとどまっています。
国会では野党側が抵抗カードを切り始めたことで、
IR(カジノ)法案の成立が後ろにズレ込んでおり、
昨日は委員会での採決までしかできませんでした。
週明け時点での政府・与党側の「想定」から、
きっちり2日ほど遅れているわけですが、
国民民主党の抵抗はショーの要素が濃く、
立憲民主党らがどれほど全力を尽くしたところで、
今日中には参議院の本会議で成立するとみられます。
(逆に言えば豪雨災害による外遊中止がなく、
参議院の国民民主党が本気で抵抗していたなら、
この法案は廃案に持ち込めたわけですから、
官邸が焦っていた理由もよくわかります)
安倍政権が苦しみに苦しんだ通常国会でしたが、
このまま無事に閉会すれば一気に総裁選モードとなり、
安倍総理の繰り出す様々な「玉」に注目が集まります。
海外で波乱が発生することも気がかりですが、
日経平均にとっては国内要因の「玉」も重要です。
世界にわだかまる「貿易戦争」への不安を考えると、
「心理的な節目」としての23000円ラインを越すには、
いくつか強力な材料が必要であろうと思われますが、
永田町や霞ヶ関ではいろいろな情報が先行しており、
かなりの「株高シフト」への期待も醸成されています。
すでに「政治の夏」となっており、
安倍総理にとっては「負けられない戦い」ですから、
党内的な多数派工作だけでなく、
国民世論を意識した株価対策もおろそかにはできません。
そうしたことも踏まえながら、
次号メルマガ(第222号:7月22日)のなかで、
夏以降の政治と相場の展望を分析する予定です。
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