市場に「熱い夏」が来るための条件。
昨日の日経平均は続伸。
シンガポールで行われた米朝首脳会談は、
お互いに「ちゃぶ台返し」をすることなく、
笑顔で握手して合意文書に署名するという、
「出来過ぎ」といってよい演出で終わりました。
日本の拉致問題についての日朝間協議も、
トランプ大統領から金委員長に伝えられ、
なんらかのリアクションがあるといいます。
「神風」はまだ吹くまでには至っていませんが、
少なくともその「期待」は持続したといえます。
何もかも異例づくめの首脳会談ではありますが、
つい数ヶ月前までお互いに核攻撃を示唆して、
危険な挑発が止まらなかったことを考えると、
びっくりするような「どんでん返し」といえます。
無論、北朝鮮はこれまで重要な約束をひとつも例外なく、
きっちりと破ってきたという「律儀さ」もあります。
昨日、両首脳が合意に至った「プロセス」が、
本当に実行されるのかはやはり不透明ですし、
それ以前に米国や韓国に頭を下げた金正恩氏が、
権力基盤を維持できるのかも疑問視されますが、
ともあれ東アジアの「地政学リスク」はひとまず去り、
日経平均には安心材料となって上昇圧力を加えました。
FOMCを前にした利上げ観測ともあいまって、
為替も少しく円安方向に振れていますから、
これまた日経平均にはプラス材料といってよいでしょう。
ただし。
歴史的な会談が「成功」したわりには、
日経平均の売買高が膨らむことはなく、
積極的に買い上がる動きもみられませんでした。
米朝首脳会談が決裂しなかったこと自体は、
安心材料になったことは間違いありませんが、
さりとて「決裂しなかった」という以外に、
取り立てて新しい何かが決まったわけではなく、
先に挙げた北朝鮮の「律儀さ」を考えると、
前のめりで買っていく理由はまだ少ないです。
「神風」への期待が持続しているという点で、
安倍政権の「延命」は現実味を増しており、
日経平均にも底堅さを与えていますが、
買い上がるには新しい材料が欲しいところ。
市場の関心はFOMCとそれに続く米国市場の動向、
また南欧や新興国などの情勢にも移っており、
依然として波乱を警戒する声がみられます。
前号メルマガ(第216号:6月10日)で述べたように、
日経平均はもう少し伸びてよい気はしますが、
しかし、そこからどんどん買い上がるには、
克服すべき課題と条件がまだいくつもあります。
日替わりで超重要イベントがやってきますが、
このまま市場に「熱い夏」が来るのかどうか、
今週出た重要な材料を整理したうえで、
次号メルマガ(第217号:6月17日)で分析します。
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