政権にまた打撃。「熱い夏」は来るのか。
昨日の日経平均はようやく23000円ラインを回復。
終値でも23000円をキープできたのは良かったですが、
しかし上昇幅は72.01円と決して大きくはありません。
米中が貿易戦争を回避したり、円安が進んだりと、
いくつか良い材料があることは確かですので、
日経平均は底堅くじりじりと上げてはいますが、
同時に上値が思い印象も先週から継続しています。
このまま23000円を明確にぶち抜いていくには、
もうひとつふたつ良い材料が欲しいところです。
「ヤマ場」を迎えた国会は今日、明日の動きで、
今後の方向性に変化が出てくる可能性があります。
衆院で不信任案と重要法案の扱いをめぐり、
与野党が激しい駆け引きの真っ最中ですが、
参院に昨日、提出された新たな「愛媛県文書」は、
これまでとは質的に異なる問題を惹起しかねず、
政権にまた打撃を与える公算が高いです。
明後日には総理はロシアに向けて出発しますが、
重要法案をめぐる衆院の攻防を乗り切ることだけでなく、
「愛媛県文書」の衝撃をどうかわすかということも、
今後の国会運営、政権運営の焦点となりそうです。
後から後からこういうことが出てきて、
まだまだ安倍政権には「茨の道」が続きますが、
基本的には前号メルマガ(第213号:5月20日) の通り、
追及される機会を最小限に封じる戦略がベストです。
実際、話が道義的、政治的責任の範疇を超えて、
法的責任の部分にまで及んでくるようであれば、
「加計問題」は次元の異なる疑獄になりかねず、
政権にとってはまたしても正念場といえます。
ただ、ここを乗り切れば、少し地平が開けてきます。
これまた前号メルマガで見立てた通り、
大臣不信任案の扱いうんぬんはともかくとして、
「働き方改革」や「IR(カジノ)法案」といった、
アベノミクスの「玉」ともいえる重要法案が、
どのタイミングでどう衆院を通過するかによって、
会期末の国会の景色は大いに変わってきます。
安倍政権は今、6月に起きるいろいろな事柄に、
力点を置いてあらゆる資源を傾けつつありますが、
「神風」を吹かせることへの「期待」を維持しつつ、
一連の疑惑をなんとか振り切った上で、
狙った通りの「玉」をきちんと出せれば、
政権も日経平均ももう一段の浮揚はあり得ます。
いつ「突然死」してもおかしくはないなか、
ここまでの状況に持ってこれたことには、
いろいろな意味で驚嘆するばかりですが、
まだ「安全圏」といえる状況でもありません。
はたして「熱い夏」が来るのかどうか。
とにかく今週の重要日程をなんとかこなせば、
6月以降の株価の方向性も少しみえてきそうですので、
ここしばらくの踏ん張りどころを見極めたいと思います。
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