昨日の日経平均は前日比53.26円高。

しかし、「米中対決」の緩和への期待で、

米国市場が大幅上昇に転じた直後にしては、

日経平均の上昇は小幅にとどまっています。

「円高」が一時停止するという追い風もあり、

一時は200円以上も上昇しましたが、

結局、利確の売りに押されてしまったのは、

相場環境の不透明さが背景にあります。

前号メルマガ(第248号:1月20日)で詳述した通り、

トランプ大統領の言動には変化がみられますが、

トランプ政権の中国と議会に対する態度が、

実際にどこまで転換され得るのかは不透明です。

また、英国のメイ政権が示した修正案を、

英国議会とEUが承認するのどうかは、

現時点で楽観的な見通しはほとんどなく、

たとえ離脱期限が「先送り」されたとしても、

それで解決の可能性が高まるわけではなく、

むしろ別の混乱を引き起こす恐れがあることも、

前号メルマガで詳しく分析した通りです。

そんななか、安倍総理はロシアを訪れ、

乾坤一擲の大勝負となる交渉に臨みます。

「対日強硬派」であるラブロフ外相らが、

事前にたっぷりと強硬な牽制発言をし、

交渉結果への期待値は低くなっていますが、

やはり最後の最後まで不透明です。

最後は相手側指導者との信頼関係による、

「トップ会談」で逆転を図るというのは、

安倍外交の「十八番」ともいえますので、

やはり首脳会談で勝負をつけるつもりです。

プーチン大統領が他国の求めに応じて、

譲歩をできる政治的状況なのかどうかは、

ちょっと不安の残るところではありますが、

安倍総理としてもこの日ロ会談の結果に、

政権の存在意義が問われかねないため、

なんとか正面突破を図りたいところです。

政権基盤が強くなるか弱くなるかは、

日経平均の未来に直結しますから、

いずれにせよ、皆が緊張しながら、

交渉の推移を見守りたいところです。

国が沈むか浮かぶかというレベルの、

歴史的な重大ニュースが連日飛び出し、

一夜で相場環境がガラリと変わる展開が、

ここしばらく継続しそうですので、

正確な情勢推移の把握と分析こそが、

何よりも大切であるのは間違いありません。

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