4つの「不安」が同時進行。
昨日の日経平均は反落。
先々週からの「調整」が継続中です。
値動きから荒さがなくなってきており、
やや膠着感が出てきました。
どんなに「スピード調整」となったとしても、
あれほどの上昇局面の後では
ある程度の「値幅」と「日柄」は必要です。
しばらく、やや「弱気」の水準で停滞することは、
ある程度、自然なことではあります。
無論、日経平均の「基礎体力」は向上しており、
米国の景気も絶好調を維持していますので、
再上昇の可能性を残した停滞局面といえます。
ただし。
やはり今週は「調整」とはまた別の文脈で、
海外発の「波乱」が警戒されているところです。
米国が北朝鮮をテロ支援国家に再指定しました。
中国の「特使」派遣の効果が芳しくなかったのか、
大統領の「友達になりたい」というツイートとは逆に、
名実ともに最大限の圧力がかけられることになります。
無論、北朝鮮が「テロ支援国家」なのは常識であり、
具体的な軍事行動を伴った措置でもありませんので、
今のところ、為替や株への影響は見られませんが、
問題は北朝鮮側がどう反応するかです。
わあわあと口汚くわめくだけならよいのですが、
核やミサイルの実験といった「具体的な行動」で、
米国の措置に対する応酬を開始するようであれば、
一気に緊張が高まりかねないだけでなく、
米軍側の「具体的な行動」を惹起しかねません。
年末年始にかけて非常に気になるところですが、
北朝鮮をめぐる主要国の動きについては、
いくつか気になる情報も伝えられており、
次号メルマガ(第188号:11月26日)で触れます。
「危機」は北朝鮮だけではありません。
サウジが内的にも外的にも不安要因となっていますし、
米国の「政治リスク」が予断を許さないところです。
さらに、ドイツでも「政治リスク」が浮上しました。
ドイツ政局はこの先のシナリオが不明であり、
相場に与える影響もまだ限定的なようですが、
幾多の「危機」から「欧州の統合」を守ってきた、
メルケル政権が退陣するような事態になれば、
かなり大きいインパクトになりかねません。
このように東アジア、米国、中東、欧州と、
4つの地域で「不安」が同時進行し始めました。
どの「不安」もまだ相場を攪乱するほどではなく、
それ以上に米国と日本の経済は強い状況ですが、
黒雲が発生したら一応、警戒しておくべきです。
先の衆院選での安倍政権の「奇跡の勝利」の結果、
「来年の日経平均は3万円」という強気予測が、
週刊誌の表紙を賑わせるようになっていますが、
そのような「バブル化」が発生するかどうかは、
外的要因が邪魔しないことが条件ですので、
次号メルマガのなかで分析する予定です。
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