政権側にまた「神風」?
日経平均は10連騰。
2015年の「熱い夏」以来の連騰です。
懸念されたマイナス・サプライズも、
現時点ではまだ確認されていません。
衆院選をめぐる「政治リスク」のほうは、
政権側が発言を押さえ気味にしており、
要らぬ失点をしないよう注意するのに対して、
希望の党側は口を開くたびにボロが出ます。
立憲民主党はさらに躍進を遂げていますが、
希望や共産の票が流れているとみられ、
もともとの候補者数が少ないこともあって、
政権の勝利を脅かす動きにはなっていません。
ここにきて天候が安倍政権に味方しています。
冬のような寒さと雨がずっと続き、
投票日あたりには台風の恐れまであります。
希望の党は天気予報をみて絶望していますが、
どう考えても組織票・固定票があるほうに有利で、
政権にとってはまたしても「神風」のようなものです。
「政権側優勢」という報道によって、
与党票が緩み、野党に票が流れるという、
「アナウンスメント効果」もまだ確認されません。
これらが相乗効果となり「自公両党の勝利」は揺るがず、
安倍政権も安全圏に近い議席が確保できると、
政界関係者も相場関係者も考える人が大半です。
無論、「地政学リスク」は気がかりではあります。
昨日から始まった米韓合同軍事演習や、
明日から始まる中国共産党大会など、
北朝鮮情勢に影響を与える重要日程のなかで、
どんな「想定外」が発生するかは読みづらく、
安倍政権中枢も緊張して見つめているようです。
米国側が「最重要の同盟国」の総選挙の最中に、
先制攻撃を仕掛けることはまずあり得ませんから、
つまりは北朝鮮の出方が焦点です。
もっとも、仮に北朝鮮が挑発行為を行えば、
為替が円高に振れるぶんだけ、
日経平均に下落圧力がかかるかもしれませんが、
政治的には安倍政権側の求心力を高めます。
このところ、「政権安定による株高効果」が、
「円高による株安効果」を上回ってきているのは、
「地政学リスク」が燻っていることを考えれば、
日経平均にとっても安心材料のひとつといえます。
さて。
この上昇局面がいつまで続くかです。
前号メルマガ(第182号:10月15日)で分析した通り、
日経平均の「上値余地」はまだたっぷりあります。
しかし、いくら「上値余地」があるにせよ、
一直線にずっと上昇が続くということは、
あまり考えられないことです。
株価位置としては「頃合い」の水準に、
そろそろ差し掛かってきていますし、
「頃合い」の位置では利食いの売りが出て、
それなりの調整が出るのが自然な動きです。
また、ここからの上昇には「安倍政権の勝利」に加え、
何か別の上昇圧力が必要かとも思われますので、
そのあたりをまた次号メルマガ(第183号:10月22日)で、
年末までの相場展望と絡めて分析したいと思います。
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