(午前0時半の更新です)

「運命の日」だった9日は、米朝ともに動かず。

ほっと胸を撫で下ろしたいところですが、

なぜ、動きがなかったのかを考えると、

なかなか判断に迷うところではあります。

「撃つ」と明言された9日に、

ミサイルが発射されなかったわけですが、

これが太陽フレアの影響による見合わせなら、

今日以降、いつ発射されるかわかりません。

また、安保理の動向を見極めるためならば、

ヤマ場はまだ継続していることになります。

9日以降もXデーの候補はいくつもあります。

北朝鮮側が大人しく交渉のテーブルにつき、

「核兵器の放棄」に応じる可能性は、

もはやほぼあり得ないことを考えると、

そう簡単に安心してよい状況とはいえません。

とはいえ。

米朝とも「やる、やる」と拳を振り上げながら、

結局、どちらも決定的な行動を起こさないまま。

軍事的衝突が回避されていることも事実です。

「結局のところ、やる、やる詐欺か」と、

市場が完全に見透かしてしまったならば、

「地政学リスク」に乗じた売りは一段落しそうです。

米国ではトランプ政権がデフォルト回避に成功し、

安倍政権には「敵失」による「神風」が吹くなど、

日米とも「政治リスク」が少し後退しています。

一時的にも市場が反発に転じるための要件もまた、

いくつか出てきているところですので、

調子に乗って売っていくのも考え物です。

また、少し角度を変えて考えるなら、

日本の未来には別の風景も見えてきます。

今後、米朝ともに軍事衝突の回避に動いた結果、

「北の核保有」を前提とした「落とし所」が、

万が一にも探られるような展開になるようなら、

前号メルマガ(第177号:9月10日)に詳述したように、

日本にとっては「苦難の時代」の到来を意味します。

いわば米国から梯子を外された格好になりますが、

永田町でも霞が関でもそうした未来の到来に備えて、

かなり具体的な検討が始まっているのは事実です。

「運命の日」を何事もなく通過したとはいえ、

それは日本にとって望ましくない方向の、

新しい未来の到来を示す可能性があります。

いずれにせよあと1~2週間、

北朝鮮クライシスが最終的にどこに向かうか、

しっかりと情勢の推移を見極めたいところです。

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