政治の「勝負」。吉と出るか凶と出るか。
(午前0時の更新です)
昨日の日経平均は反発。
積極的に買っていく材料はあまりありませんが、
これといって新しい売りの材料もありませんから、
ある程度下げると「日銀砲」が出てきて反発します。
これではヘッジファンドの売り崩しにも限界があり、
値幅がとれず儲からなくて困っているようです。
無論、人為的に操作された株価形成ですから、
日経平均が歪んでいるのは間違いありません。
チャートだけを見ると底堅く見えますが、
それを根拠にして買いを入れるのは安全かは、
前号メルマガ(第127号:9月19日)でも、
私の見立てを書いた通りです。
ところで。
日米ともに「政治の秋」に突入しました。
米国は大統領選が最佳境に入りました。
「初戦」となる直接対決の第一回目は、
「トランプらしさ」を引っ込めたためか、
ヒラリー氏に軍配があがったようです。
「トランプ・ショック」を警戒した市場では、
ひとまず安堵が広がったようで、
日経平均の上昇要因にもなったようです。
ただ、トランプ氏が「トランプらしさ」を消し、
「安全運転」で公開討論に臨んだことが、
吉と出るか凶と出るかはまだ分かりません。
最終盤になって失点が続くヒラリー氏が、
健康問題やスキャンダルで大失点をおかして、
最後の最後で自滅する可能性はあります。
いつも申し上げるように、
「火事は最初の1分、選挙は最後の1分」です。
ただでさえ、今回の米国大統領選挙は、
二大政党の候補がどちらも「不人気」のため、
多くの有権者が投票先を決めかねており、
本当に僅差のまま最終決戦に突入しています。
候補者の印象的なフレーズや表情、服装、
また、突発的な事件のひとつふたつによって、
局面は右にも左にも大きく動く恐れがあり、
どちらが勝つとは言えない局面です。
(ケネディ大統領の選挙戦にならってでしょうか、
「トランプはネクタイの色を変えたら勝つ」と、
口から泡を飛ばして力説する人もいます)
いずれにせよ、両陣営のそれぞれの戦略が、
吉と出るか凶と出るかについて、
次号メルマガ(第128号:10月3日)で分析します。
一方、日本のほうは安倍政権が、
得意の外交で政治的な勝負に出そうです。
TPPなどの重要法案の話はそっちのけで、
総理本人の北方領土視察まで取り沙汰されており、
永田町はほとんど「返還ムード」です。
日銀は白旗を半分揚げ、景気回復にはまだ遠く、
臨時国会の運営は難航の色が漂っていますが、
今世紀最大級の外交イベントを突破口として、
安倍政権が「秋の難局」を打開できるかどうか。
ただ、ひとつ懸念材料とされているのが、
外交が票につながった例は必ずしも多くないこと。
特に今回は、日本国民みんなが望んでいる、
「4島一括返還」ではなさそうですので、
仮に、「2島先行返還」で折り合うとしても、
それで終わるのか、残りの島がどうなるかが、
明快に示されないことには、
むしろ保守層の離反も懸念されます。
(すでにそういう兆候があります・・・)
「首脳外交」の成果ですから、最後の最後は、
安倍総理とプーチン大統領がサシで決めますが、
それが吉と出るか凶と出るかについてもまた、
次号メルマガで見立てを述べたいと思います。
9月は日銀と米国FRBによる、
金融政策の歴史的な「決断」を前に、
市場全体がナーバスになりました。
10月からは日米トップをめぐる政治的な「勝負」に、
市場全体が激しく揺さぶられそうです。
正しい情報収集とシナリオ構築に努められ、
決して振り回されることなどありませんよう。
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