選挙の結果待ちか、昨日も日経平均は動かず。

高値(17346.85円)と安値(17212.48円)の間は134.37円。

後場に入って一瞬、崩れかけましたが、すかさず買いが入って下落幅を縮めました。

公的資金の買い支えが怖いので売りにも勇気がいりますが、買う材料もありません。

市場が安倍政権に求めているのは、公約に書けない「不都合な真実」となる改革です。

したがって、第3次安倍政権が何をやってくるのか、選挙中は「言わぬが花」です。

来週の総選挙公示後に、与党勝利の「ご祝儀」で上昇する可能性はありますが、

経済合理的に考えて、今の段階で積極的に買いを入れる理由はありません。

これだけ小さな幅の値動きが続いた後は、大きな動きが発生するものです。

上に行くか、下に行くかは、選挙の行方が確定しないとわかりませんが、

私が気にしているのは、海外の長期資金が入っている形跡がないことです。

11月17日の「GDPショック」の後、「やはり日本はダメか」という諦めに似た報道が、

海外で広く一般化しており、政権側はこれを払拭する材料を出せていません。

どんなに日本人のレベルが高く、安全で、清潔で、住みよい国か知っていても、

長期的に成長する展望のないマーケットに資金を入れるファンドはありません。

リーマンショックなどいろいろあっても、世界全体は平均で年4%程度成長しています。

全世界に均等にならしてポートフォリオを組めば、20年間で資金は2.2倍になりました。

しかし、日本はデフレ下の低成長によって、増加どころかむしろ減少。

今後、さらに、人口減、経常赤字の定着、実質賃金低下などで縮小ペースが加速すれば、

日本に資金を入れる合理的な理由は全くなくなります。

円換算のGDPですら衝撃的に下落したのに、円そのものの価値が3分の2になったのです。

たとえ、日経平均株価が10%や20%上げたとしても、為替差損でパーです。

皆さんが外国に居住していたとして、お手元のドルを日本に投資しますか?

もちろん、第3次安倍政権が改革を成し遂げ、日本経済を躍進する可能性はあります。

株価だけなら、まだまだ上げる方法はあります(いずれも劇薬ですが)。

しかし、今の時点では、そのシナリオが一切示されていない以上、

内外の長期資金が本格的に資金を動かしてこないのは仕方ありません。

では、私達投資家はどうすべきか。

第3次安倍政権下の日本の姿を、いくつかのシナリオを設定して考えておき、

最悪のパターンでも生き残り、資産を殖やす方法を用意することだと思います。

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