日経平均のチャートや指数だけ見てても、ダメです。
昨日の日経平均はまたしても暴落。
10月になってわずか半月で、6月から継続した上昇分を帳消しにする動きです。
10月初旬の段階で、政府側がひとつでも、ふたつでも「玉」を繰り出せば、
15500円近辺で持ちこたえ、再上昇に転じる可能性はまだありましたが、
全く何もしないうちに、するすると15000円ラインを割ってしまいました。
ただし、そろそろ下げが食い止まるべきゾーンです。
連休中のシカゴ日経先物や、昨夜のナイトセッションでは、
一時14800円くらいまで行ってから反発していますが、
14800円ラインを大きく超えて下げるには、もうひとつ、ふたつ、材料が必要です。
また、下落ピッチが速すぎますから、どこかで反発がないとヘンです。
すでに騰落レシオも80を割り込み、25D乖離率もマイナス5%を大きく超えました。
この段階からさらに大きく下げるには、それなりのエネルギーが必要ですから、
このあたりで、下げも一服すると考えるのが自然ではあります。
今夜、月末のFOMCに向けた米国のベージュブックが発表されますが、
直近の米国株売りはこれを意識したものともされ、
ベージュブックの景況感が、「自律回復型の景気回復」を裏付けるならば、
米国株が反転する可能性もあります(その逆もあり得ますが)。
いずれにせよ、近いうちに相場の雰囲気はひと段落するかもしれません。
メルマガでは当面の「下値メド」のターゲットを書きましたが、
そこまで行かなくても、反発する様子がみえたら買うという選択肢もあり得ます。
ただし、「反発」が「長期の再上昇」につながるかどうかは定かではありません。
市場全体には世界的な「重し」がのしかかっています。
ずっと前から私が危惧していたNYの「本格調整」の懸念です。
実質的な「世界の中央銀行」である基軸通貨発行国の金融政策が、
この10月で5年ぶりに大転換をするわけですから、世界中で資金が巻き返します。
そうなれば、世界的な株安はこんなものでは済まないでしょう。
今のNY市場の下げが、その「本格調整」だとしたら、
私の予想より2~3週間早く始まったことになりますが、
マーケットの「あの」コンセンサスどおりなら、まだまだ下落幅は序の口です。
10月後半にある、日米それぞれの出来事(次号メルマガで詳しく書きます)が、
この下げを終わらせるか、加速させるかを決めることでしょう。
それまでは、長期の再上昇局面が来るかどうかは判断できません。
前号メルマガ(第25号:10月12日発行)で詳しく書きましたが、
政府は、株価を上昇させる材料(玉)を持ってはいますが、出てくるのはまだ少し先。
大きな下落の圧力と、政策的要因による反騰期待が拮抗し、
10月、11月は相当に難しい相場展開にはなるでしょうが、
いずれ行き着くところまでいけば、コツンと反発を始めるはずですので、
そのチャンスを待ちたいと思います。チャンスは必ず来ます。
ところで。
昨日、40日ぶりに金正恩が姿をあらわしましたが、杖をついていました。
「肥満で骨折した」とか「糖尿で排泄も難しい」とか、いろいろ噂がありますが、
国家元首としての生存が確認されたことで、「最悪の事態」は後退しました。
ただし、安倍政権が対峙する「試練」は、刻一刻と現実味を増しています。
例えば、先週末、米国の統合参謀本部議長が「イスラム国」について、
モスル奪還のための地上部隊を派遣する可能性に言及した一方、
朝鮮半島有事については別の高官が、
「増援態勢、不十分」と懸念を述べました。
かつて、
「欧州とアジアで2つの大戦争を同時に戦い、さらに別の局地戦で勝つ」
と豪語していた「世界の覇王」アメリカの「2.5戦略」など、今は見る影もなく、
今や「朝鮮半島有事の際に手が足りない」と泣きを入れているのが現実です。
そこに、中国が進出し、韓国を操って、日米同盟に挑戦を仕掛けてきているのです。
そんな、世界史的な動きのなかで、日本の役割も大きく変化しつつあります。
こういう文脈のなかで、安倍政権は「集団的自衛権の容認」を決定し、
「日米新ガイドライン」を策定し、「特定秘密保護法」の運用を開始します。
一般国民の多くがぽかーんと口を開けてみている間に、
私が前号メルマガに詳しく書いた話が、これだけリアルな形で迫ってきています。
安倍政権(といっても官邸周辺の一部)のタカ派ぶりは、私もどうかと思いますが、
かといって、一部の方が攻撃するように「安倍が戦争をしたがっている」というより、
「戦争の準備をせざるを得ない」現実があるという側面が強いのも事実です。
好むと好まざるとにかかわらず、時代は変わりつつあります。
そして、投資家たるもの最も大切な点は、歴史の大きな流れを見誤らず、
大きな角度からのポジション取りを間違えないことです。
トレードにおいて小さな勝ち負けがいくらあっても大勢にそれほど影響ありませんが、
決定的な時代の趨勢を読んでのポートフォリオが組めるかどうかは、
それこそ、大富豪になるか、破産するかくらいの差が出てくる話です。
その意味では、日経平均のチャートや指数だけ見てても、ダメです。
とはいえ、相場をやるプロは、相場のことしかわからないものです。
しかし、政策や国際情勢のプロは、相場で勝つことに興味も関心もありません。
私がメルマガやブログを運営する意義は、そんなところにあるのかなと思っています。
10年かけて、皆様を富裕層に導けるようにと願いつつ、これからも精進します。
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戦後の没落話。逆に財なした話。
(インフレでひと財産を紙屑にした話なども)
わりと身近な例で時折聞かされてました。
驚きましたが、正直、二度と起こらない昔話のように感じていました。でも
全てがひっくり返るようなことは
現代でもじゅうぶんに起こり得るのですね。
こわい
振り落とされないようにしっかりついて行きたいです。