市場が米中両国に振り回されています。

「制裁関税の相互撤回で合意した」と、

中国商務省から発表があったために、

先週末の日経平均は吹き上がって、

一時、23600円の手前まで達しました。

米中が関税や規制を撤回し始めるなら、

相場環境は「真逆」の方向に向かいます。

米国、中国、日本などの主要国が実施中の、

政府主導の強力な株高政策はそのままに、

相場環境が良好な状況に向かうのであれば、

年末にかけての相場シナリオは激変して、

想定外の高値を目指すとする考えにも、

一定の合理性はあるものと思われます。

しかし、その後、対中強硬派の米国高官は、

「合意はない」と否定しましたし、

トランプ大統領も発言のトーンを変えて、

「まだ合意していない」と言っており、

市場の「期待」をだいぶ削いでいます。

無論、まだまだ「期待」は残っているものの、

現時点で「第1段階」の「部分合意」は、

いつ、どこで行われるのかも不明であり、

米国内の対中強硬派の巻き返しに、

一定の警戒をするむきも多いようです。

香港や台湾など「米中対決」における、

「第2戦線」「第3戦線」の情勢が、

だいぶ不穏になっていることなども、

根強い警戒の背景にあるといえます。

いずれにせよ米中両国の駆け引きに、

今後も市場は振り回されていきそうです。

ただ、米中両国の派手なやり取りの裏で、

日経平均をめぐる無視できない変化が、

静かに、しかし、急激に発生していたことを、

前号メルマガ(第290号:11月10日)のなかで、

その意味するところとともに指摘しました。

そろそろ市場参加者が「天井」を意識する、

無視できないシグナルもいくつか点灯し始め、

これも計算に入れておいた方が良さそうです。

米中や英欧における情勢の推移だけでなく、

日経平均の値動きを決める根源的な部分も、

よく注意して売買の態度を考えておくことは、

そろそろ非常に大切なことだと思われますので、

今週以降はこうしたこともに注視しつつ、

情勢推移と今後の展望の分析したいところです。

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