今後の日米「政治リスク」と日経平均。
米国のFOMCを通過。
警戒されたほどのタカ派的な内容でもなく、
利上げペースの加速は否定されているため、
一定の安心材料といってよいと思われます。
声明などを読む限りにおいては、
今後、年4回の上昇へ移行する可能性も、
決して否定できないところだとは思われますが、
トランプ政権が抱える「政治リスク」を考えると、
金融政策の柔軟さは必要な局面と思われますので、
タカ派的なスタンスを固めるわけにもいきません。
「フェイスブックショック」などの影響による、
市場の動揺も勘案されたのかもしれません。
今後、「長期金利」の上昇が再加速するかが、
当面、見ていくべきポイントかと思われますが、
いずれによせFOMCを無難に通過したことで、
警戒された「次の衝撃」は発生することなく、
休み明けの日経平均に米国発の下げ圧力が、
押し寄せるという展開はなさそうです。
もっとも、別に良い材料が出たわけでもなく、
強い上昇圧力が発生するとも思えません。
「年3回の利上げを維持」という内容だけでは、
「為替」が「円安」に傾くとも思えませんのし、
米国の「保護貿易」への傾倒ともあいまって、
日本企業の「稼ぐ力」が削がれる恐れもあり、
日経平均にとってはやや「逆風」気味な状況です。
日経平均はあり得ないほど低い「株価位置」ですので、
戻し始めると大きく戻す潜在力はあるといえますが、
そのきっかけがなかなか出ないうちに、
「稼ぐ力」が削がれていくのは嫌なシナリオです。
国内政局は依然として混迷中です。
前号メルマガ(第204号:3月18日)で述べた通り、
政権側は「存続」と「反転攻勢」を考えて、
あらゆる手立てを尽くしつつあるところですが、
メディアは政権全体の責任論に傾きつつあり、
世論もこれに従う傾向がみられるところです。
国会での野党の質疑は「決め手」に欠けていますが、
さりとて政権側が切り返すほどの材料もなく、
じりじりと審議の日程が長期化するにしたがって、
注目は佐川氏の招致と「その次」に移っています。
また、政権側が延命への努力をする以上に、
年金機構や文科省の圧力問題など、
政権側が追及を受ける材料が増えていますから、
国会で疑惑に関する審議が長期化しつつあります。
審議の長期化は政権の体力を奪っていきますし、
政権にとって不利な審議が長期化すればするほど、
致命的なミスや「爆弾発言」が出るリスクも高まります。
与党と与党「周辺」から極めて物騒な話が、
いくつか聞こえてくることも気がかりです。
いずれにせよ来週の佐川氏の喚問の後、
政局の方向性がどう変わっていくかという点は、
日経平均にとって最重要の材料のひとつですから、
このところ水面下で飛び交わされる情報を踏まえて、
次号メルマガ(第205号:3月25日)で詳述します。
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