昨日の日経平均は寄り付き後に19500円を回復。

先週末に「ちょっといい話」が続いたため、

寄り付きから買われたわけですが、

まず19500円水準を維持することができれば、

例の水準まで戻す可能性は確かにありました。

しかし、為替が円高気味に推移したこともあり、

これ以後、買いが続かずに上昇分を打ち消し、

引けてみれば小幅の反落で終わりました。

昨日、再上昇に失敗したのは痛いです。

先ほど、北朝鮮のミサイルが日本上空を超え、

太平洋方面に飛んでいきましたが、

9月上旬には北朝鮮の国内的な事情で、

もうひとつの「ヤマ場」がやってきます。

米国と北朝鮮が相互に発するシグナルを、

相互に正確に理解し抑制的に対応し続けるならば、

「落とし所」に達する可能性はありますが、

それはガラス細工を作るような難しさもあります。

こうした局面では「恐怖」や「錯誤」はつきものであり、

やっぱり何が起きるかわからない怖さはあります。

昨夜の日経先物ナイトは19400円台後半でしたから、

為替さえ落ち着けばふたたび19500円台を回復し、

そこから再上昇する可能性もなくはない状況ですが、

ミサイル発射で再びドル円は108円台に突入しており、

今日の日経平均には「冷や水」となりそうです。

それから。

米国の「政治リスク」も深刻であり、

これに伴って米国市場の雲行きも妙な感じです。

外交・軍事面での不規則発言はだいぶ減りましたが、

そのぶん、内政・経済でトランプ氏は大暴れ。

昨日もまたのけぞるような発言が続きました。

前号メルマガ(第175号:8月27日)で指摘したように、

やはり「活路」は「保護主義」とみているようです。

折から再交渉が続くNAFTAについて、

ついに「NAFTA破棄」まで言及してしまいました。

本当にのけぞるような話です。

さすがに経済界は猛反発していますから、

これも「トランプ流交渉術」を仕掛ける際の、

いつもの「大ボラ」で終わるのなら良いですが、

「保護主義」というのはトランプ政権にとって、

いわば「目玉中の目玉」の政策であっただけに、

どうもシャレで済むようには思えません。

そもそもトランプ氏のいう「保護主義」には、

NAFTAではない別の「本命」がありますから、

話がそちらのほうに及んできたならば、

世界経済の大波乱要因ともなりかねません。

もうずいぶん慣れっこになった気もしますが、

あらゆる意味でトランプ氏は「異色」です。

「メキシコの壁」をめぐって議会を恫喝し、

あたかも国民生活を人質にとるかのように、

「政府閉鎖」すら示唆しています。

議会、特に野党側が大統領を牽制するために、

「政府閉鎖」を交渉の材料にするのではなく、

大統領が自分の政策を実現させるために、

「政府閉鎖」を取引材料にしようというのです。

トップ・リーダーとしては異例中の異例ですが、

こうした人物が率いる「半ば崩壊中」の政権が、

9月に予想される幾多の難局に対処するわけです。

「ひょっとするとひょっとするかも」という、

ちょっと怖い話も耳にするようになりましたので、

次号メルマガ(第176号:9月3日)でご紹介します。

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