日経平均は「2万円の攻防」。

あと少しでザラ場でも2万円に到達するというところです。

一部の企業決算に波乱はあるとしても、

全体として日本企業の「稼ぐ力」はなかなか好調です。

日米の金利差の見通しは円安を進める要因ですし、

主要な貿易相手の米国は絶好調で中国も順調。

何より、高値であろうと安値であろうと関係なく、

公的資金が相場を高く誘導しようとしています。

こうした「上昇圧力」を勘案するにつけ、

前号メルマガ(第159号:5月7日)にも書いたように、

日経平均はもう少し上の株価位置いても不思議ではなく、

長らく悩ませられた一連の「危機」さえ去れば、

ふわりと上昇してしかるべきところではあります。

ただし。

その「危機」の根が深いために困っているわけです。

トランプ政権は先週まで「なかなかやるな」と、

投資家を(いい意味で)驚かせていた矢先に、

最悪ともいえる一手を自ら指したわけですから、

政権そのものの先行きに疑問符がついています。

半島情勢にも懸念は尽きません。

いろんな和解案も取り沙汰され緊張は緩和していますが、

軍事的にはそろりと静かに大きな動きもみられます。

金が再上昇の兆しをみせていますし、

ドル円が115円のカベをなかなか突破できず、

ともすれば円高に振れる気配すらあるというのは、

こうした「危機」の火種を反映してのものであり、

投資家も「波乱要因」には気を配っているといえます。

SQなどでやや攪乱された可能性もありますが、

基本的には、先述した「上昇圧力」に対して、

各種の「危機」の火種の「波乱要因」が拮抗し、

「2万円の攻防」が続いているというのが、

現在の相場の姿といってよいかと思います。

安倍政権は当面の国内政治上の懸案を処理し、

政局は「次のステージ」に突入しつつありますから、

「熱い夏」が来るか「大波乱の夏」になるかは、

やはり海外要因に注目すべきところと思われます。

したがって、次号メルマガ(第160号:5月14日)では、

米国内と東アジアにくすぶる「危機」の火種と、

今後、あり得るシナリオについてを中心に、

海外発の波乱の可能性について掘り下げて分析します。

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