(午前0時の更新です)

昨日の日経平均は反落。

もちろん、わずか98円55銭の下落でとどまっており、

公的資金による買い支えがまだ効いている状況ですが、

為替が円高方向に動きがちなのはやはり気になります。

トランプ大統領の言葉をそのまま実施すれば、

もっと円安方向に進んでも良さそうなものですが、

じわりと円が買われているということは、

市場が「何か」を不安に思っているためでしょう。

「不確実性」の霧が濃くなってきています。

トランプ氏の「玉」はド派手でパワー満点ですが、

政策全体のつながりは支離滅裂としか言いようがなく、

非現実的とみられる計画も多数、含まれています。

(「今世紀末までに全惑星を探査する」と言われても、

「はあ・・・」と口を開くより他に仕方ありません)

トランプ氏が「有言実行」を目指すのは良いとして、

この調子での政権運営が半年も続く保証はありません。

与党である共和党が大統領に全て賛成するは思えず、

連邦政府職員にはサボタージュに近い動きが広がっています。

巨額の財政出動や金融規制緩和の規模や内容は、

おそらく「期待」以上になるとは思われますが、

実際、何が出るかは予算教書を待つしかありません。

すでにNY市場は歴史的高値にありますので、

ここから先、米国株がさらに上昇するかどうかは、

確証をもって判断する材料にやや欠けるともいえます。

一方、日本市場については、

前号メルマガ(第145号:1月29日)で書いた通り、

「まさか」の超荒波が2月から発生する恐れがあり、

積極的に買っていく根拠が見当たりません。

安倍総理が財相、外相、経産相をぞろぞろ引き連れ、

「トランプ詣で」をするという話もありますが、

それだけでもう「対等な関係」ではないのは明らかです。

官邸側からは先週末の電話での直接会談について、

和やかな雰囲気だったと強調するリークが続いてますが、

「米国側からの強硬な要求はない」と断言もされていません。

明日、明後日と韓国、日本を歴訪するマティス国防長官が、

どれだけ東アジア防衛にコミットするかは重要な点ですが、

トランプ政権側が米軍のプレゼンスを強調すればするほど、

「みかじめ料」の請求額は高くなっていくと考えられます。

そういえば、昨日の参議院予算院会では、

安倍総理も麻生財相も生気がなく見えました。

気まぐれなトランプ氏に気兼ねして、

週末の深夜まで電話会談で眠れなかったという、

ちょっと気の毒で哀しい事情もよくわかりますが、

場合によっては大きな国難もあり得る状況です。

本日、第3次補正予算が参議院で成立すれば、

2月10日の日米首脳会談に全力を集中できます。

政府首脳の方々が下を向いているようでは、

相場の見通しも暗くなりますので、

特に総理には元気を出して頑張ってもらいたいところ。

いずれにせよ。

来月、日本が向かう先は天国か地獄かが、

はっきりしてくると思いますので、

次号メルマガ(第146号:2月6日)のなかで、

この先の相場シナリオについて分析します。

上であれ、下であれ、

大きなトレンドが政策転換によって生じた時には、

大きなチャンスになる可能性がありますので、

全ての投資家は神経を張り詰めたいところです。

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