日銀と民進党とブラジルと。そして日経平均はどこに向かうか。
日米当局の動き待ちです。
ただ、FOMCを控えた米国市場は様子見ムードですが、
日銀の決定会合前の日本市場は急上昇しました。
急上昇といっても、私の見立てるまだ「ど真ん中」程度ですが、
しかし、2月の大暴落からの「雪解け」が進み、
「あや戻し」から、本格的な戻りを伺う位置につけています。
今日、日銀が動くかどうかはわかりませんが、
そろそろ日本政府か日銀かが「玉」を繰り出すであろうと、
内外の投資家は大きな「期待」を込めてみています。
「民進党」の誕生は大きなファクターです。
ここ最近のメルマガで連続して分析しているとおり、
選挙のプロ達が評価する民進党の力(議席獲得数)は、
メディアがぼろくそに酷評するほど弱くはありません。
何より、安倍総理は「改憲」を参院選の旗印にした以上、
衆参両院で3分の2を制する必要がありますが、
それはすなわち、民進党の当面の「勝利ライン」は、
衆参両院の3分の1になるということです。
2012年も2014年も、野党側が競合選挙区を調整し、
全ての選挙区において候補者を一本化していたならば、
実は自公政権側が敗れていたという明白な「事実」を、
なぜ、メディアはもっと注目しないのか不思議ですが、
与党関係者は相当に気を引き締め、緊張しながら、
民進党の一挙手一足投を見つめています。
いずれにせよ、ぼうっと寝ていては、
「衆参両院で3分の2」はとても難しい状況になりました。
最近では、安倍総理、菅官房長官の発言にも、
こうした「焦り」のようなものが感じられますが、
それゆえに、何か「大玉」を繰り出すことで、
選挙戦を有利にすることを狙うと「期待」されます。
ここから繰り出す「玉」の内容については、
前号メルマガ(第99号:3月13日発行)に書きましたが、
確かに、かなり強力なものが温存されています。
(「玉」による上値メドも書きました。けっこうあります)
今日の日銀決定会合もそのひとつの可能性がありますので、
黒田日銀が今日、サプライズを打つか、
それとも来月以降に攻めてくるかに、
嫌が応でも注目が集まります。
個人投資家としては、黒田総裁のアクションをみて、
慌てず、焦らず、淡々と、粛々と「対処」する局面でしょう。
ところで。
ブラジル全土で暴動が発生しています。
汚職事件に国民が怒っているそうですが、
背景にあるのは経済的な苦境です。
昨年秋から懸念してきた新興国危機は、
「Troubled 10」の筆頭国ブラジルを直撃しており、
ジカ熱の流行とあいまって、
オリンピックを控えたこの国に暗い影を落としています。
地球の裏側の国であり、それほど身近ではありませんが、
ブラジルの現在の苦境の背景と理由をみる限り、
日本にとっても他人事では済まされないものを感じます。
五輪終了後、秋以降のブラジル経済は非常に心配ですし、
それが世界経済に与える影響は大変に気がかりです。
また、オリンピック開催国にはある宿命がありますので、
4年後、というより、5年後か6年後の日本が、
ブラジルのような苦難を経験するかどうかという点も、
大いに気になるところです。
しかし、こうしたことがわかっていれば、
今年の後半以降の世界経済の動向を読み、
また、日本経済の中長期的な見通しをするにあたって、
ある程度、確度の高い先読みの材料を得ることができます。
次号メルマガ(第100号:3月20日発行)では、
このことを詳しく書きます。
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