想定外の「上ブレ」後の日経平均。
先週末の日経平均は大幅高。
英国の総選挙の結果がどうなるか、
「米中協議」はどう推移するかだけに、
全世界の関心が集中した先週でしたが、
金曜に両方とも一度に判明しました。
英国では与党・保守党が勝利し、
米中は「第1段階の合意」に達しました。
どちらもその直前に至るまで、
「どうなるかわからない」状況にあり、
悲観的な観測報道も相次いでいたため、
ややサプライズ気味の好材料となって、
世界市場をお祭り騒ぎにしました。
長く膠着状態が続いた日経平均も、
溜まっていたエネルギーが噴出し、
今年最大の上げ幅で上昇していますが、
前々号メルマガ(第294号:12月8日)で、
事前に指摘していた通りの動きでもあり、
シミュレートしていた投資家にとっては、
特に驚くこともない上昇だったはずです。
ともあれ、日経平均は2万4千円に達し、
大幅な「上ブレ」になったわけですが、
しばらく高揚感は続くにしても、
ここからさらに上値を追っていくには、
いくつか難しい条件があるということを、
前号メルマガ(第295号:12月15日)で、
客観情勢をもとに分析したところです。
無論、「あり得ない」ということが、
しばしば起きるのが相場でもありますが、
英国情勢も米中関係も今回のことで、
全てが良い方向に向かっていくほど、
諸問題の根っこは甘くはありません。
英国は来年1月以降の日程を考えて、
早くも「次の波乱」を心配する声が、
いくつも上がっているところですし、
米中両国は合意内容を発表したものの、
両国とも温度差や齟齬が目立っており、
実際の署名や合意の履行状況などに、
多くの疑問点が指摘されています。
これらの懸念の声が高揚感を打ち消せば、
「上ブレ」を修正しようとする動きが、
顕在化することにもなりかねません。
また、前号メルマガで述べた通り、
日本の国内政局も異変が生じており、
臨時国会で「逃げ切り」のはずが、
どうもそうなっていないことも、
相場の波乱要因のひとつといえます。
安倍政権は年末年始を使って、
挽回策を練るつもりでいるようですが、
「桜を見る会」とは全く別の事柄で、
足下から思わぬ形で不満が噴出しており、
対応を誤ると重大局面になりかねません。
かなりの高揚感に包まれる形で、
想定外の「上ブレ」した後の日経平均に、
こうした懸念材料が燻っていることを、
投資家たるもの冷静に認識しておいて、
必要な心づもりと準備をしておく方が、
より安心、安全、堅実かと思われます。
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