「サプライズ」と「黒雲」と日経平均株価。
昨日の日経平均は反発。
中国企業ファーウェイへの制裁措置を、
緩和する可能性があるというニュースや、
トランプ政権が議会・民主党との間に、
「債務上限」の引き上げ案で合意した話が、
サプライズとして日経平均を上昇させました。
長く「薄商い」が続いている日本市場は、
久々の良い材料に敏感に反応したといえます。
これで日経平均は参院選の「前」に、
「膠着状態」だったレベルの株価に、
いったん戻ったことになります。
中国に対する一連の制裁措置の一部でも、
本当に緩和するというのであれば、
世界経済の見通しはぐっと変わります。
また、本当に「債務上限」で妥協が成立し、
早い段階で問題が解決するのであれば、
世界全体の市場にとっても大きな話です。
前号メルマガ(第274号:7月21日)などで、
繰り返し指摘しているところですが、
今年最大級の危機のひとつとみられた、
「米国のデフォルト」の懸念が消えれば、
世界全体の不安の総量はぐっと減り、
日経平均の「重石」も減じられるでしょう。
ただ、トランプ政権側がこれらの「譲歩」を、
突然、示したというその意図や、
本当に妥協が成立するのかという点など、
不透明な部分もまだまだあります。
対中制裁の緩和については、
禁輸解除の内容や時期についてなど、
まだ具体的な確認はとれていませんし、
実際の「債務上限」の引き上げついても、
まだいくつかのハードルが残っています。
トランプ大統領は基本的に市場重視であり、
株価の下落を好まない人物ではありますが、
「交渉経過は良好」といっておきながら、
やおらちゃぶ台返しを仕掛けることも、
これまで何度もやってきています。
そうしたこともあってか、
東証1部の売買代金はやはり昨日も、
2兆円を大きく割ったままでいますし、
大きく戻した印象はあるとはいえ、
参院選「前」の株価に戻っただけです。
このまま上昇に勢いがついて、
株式市場が「梅雨明け」となるかどうかは、
今週以降の重要日程を待つ他はありません。
英国では「ジョンソン政権」の発足で、
過激な方針がとられる見通しが高まり、
依然として「黒雲」が立ち込めています。
中東情勢も不透明な状況が続いており、
米国とともにイランと対峙する英国に、
過激な政権があらわれたことのリスクも、
考える必要があるかもしれません。
参院選「後」に安倍総理が方針を微修正し、
政権運営の展望を描きつつありますが、
「日米協議」の影響も気がかりですし、
米国の金利政策も決定的に重要ですので、
それらに関する新しい材料を盛り込んだ上で、
次号メルマガ(第275号:7月28日)のなかで、
夏の相場展望を分析したいと思います。
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