「利上げスケジュール」。「改憲スケジュール」。
(午前1時半の更新です)
昨日の日経平均は利確に押されて反落しましたが、
すでに「2万円の攻防」に差し掛かっています。
相場をめぐる環境は一変しています。
欧州ではフランスの大統領選で不安が大きく後退し、
昨年来の大きな重しがとれた格好になっていますし、
米国経済は歴史的ともいえる強さを誇っているなかで、
トランプ政権は内政・経済政策の面でも、
少しづつ「玄人」っぽい手を繰り出すようになっています。
また、朝鮮半島情勢は依然として緊迫していますが、
その緊迫した状況を日本の安倍政権は逆手にとって、
政権の求心力を再び高める策を次々に打っており、
懸案だった国内問題を一挙に解消しようとしています。
連休前までの「不安」なムードが一変していることは、
前号メルマガ(第159号:5月7日)で論じた通りです。
相場アノマリーでは「5月に売れ(Sell in May)」とされますが、
連休明けと同時に「5月に買え」のムードが広がっています。
問題は、いつまで、そしてどこまで上昇するかです。
「とりあえず北の暴発も米国の先制攻撃もない」とする限り、
日経平均にとっては「為替」と「政策要因」が決定的です。
5月の米国雇用統計を受け、
米国の利上げスケジュールが取り沙汰されていますが、
当然ながら「為替」にとっては決定的に重要な要因です。
また、安倍政権が本当に「2020年改憲」を目指すのなら、
その改憲スケジュールに連動し、支持率を底上げするために、
節目、節目に「政策要因」の「玉」をぶち込むべきです。
少なくとも市場関係者はそうした「期待」をしますから、
これから官邸が仕掛ける政治日程を踏まえたうえで、
日経平均への上昇圧力の時期と規模を推察することは、
ある程度、可能になるのではないでしょうか。
「期待」どおりになるか「期待外れ」になるか、
いずれもごく近い未来の株価に大きく影響を与えますから、
次号メルマガ(第160号:5月14日)で分析する予定です。
ところで。
北朝鮮問題は、長期化、複雑化、大型化しつつありますが、
様々に新しい「出口」の可能性も取り沙汰されています。
韓国に新政権が誕生したことをもって、
ようやく「役者が揃った」状況になったわけですから、
「出口」が右になるか左になるかはこれから決まるわけです。
もっとも、朝鮮半島の人々にとっては、
今回の「北朝鮮クライシス」と「韓国大統領選」が、
本当の意味で「良い結末」に向かっているのかどうかは、
いささか疑問符がつきそうな状況ではあります。
せっかく韓国の李政権、朴政権が、
いいところまで進めつつあった「統一国家構想」は、
新政権がすっかり台無しにしてしまう恐れもあります。
また、北朝鮮の人々にとって「核保有国」の国民となることと、
「金王朝ではない国」の国民になることのどちらが幸せかは、
部外者たる私達・日本人には想像するしかありませんが、
いずれにせよ、遠からず結論は出るものと思われます。
ご承知のように私は、日本およびアジア太平洋圏の未来は、
きっと明るいものだと信じておりますが、
しかしその「明るい未来」に至るまでのプロセスでは、
やはりいくつもの山や坂や谷がありそうです。
半島情勢で浮上するいくつかの「出口」シナリオを踏まえ、
そのあたりのこともまた次号メルマガで。
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