(本日も午前0時の更新です)

日経平均は、月曜日のショック安を一日で挽回。

熊本・大分地震や原油不安による売りをはねかえし、

「5月のクライマックス」に向けた上昇トレンドに戻りました。

警戒された地震に絡む「円買い、日本株売り」に勢いは限定的で、

せいぜい「ど真ん中」のちょっと下あたりで止まったことで、

かえって、上昇圧力の強さを目立たせたとも言えます。

前号メルマガ(第104号:4月17日発行)で分析したように、

日経平均にはまだまだ上値余地があります。

ゴールデンウィークの日程を差し引いた上で、

またサミットの日経(5月26日)を考えるならば、

今国会の実質的な審議もあと3週間程度で終わります。

今日で「4月相場」も下旬に入りますので、

日経平均がピークを目指してもおかしくはない頃ではあります。

ただ、昨日の急上昇はやっぱりちょっと不自然です。

原油高、米国株高という外部要因の好材料はありますが、

為替は1ドル110円のラインを回復することはありません。

確かに、復興需要を見込むシナリオもなくはないでしょうが、

また、熊本・大分地震は一向におさまる気配はなく、

震源域が他に飛び火することも懸念されていますし、

そもそもこの地震による経済的損失はまだ確定していません。

多くの投資家が安心して腰を据えた買いを入れたというよりも、

どこかの誰かの思惑で作られた相場の匂いがします。

こういった上昇はどこかで不意に終わることが多いですので、

ここから上値を追うという方は十分にご注意を。

一日に500円とか600円とかいう派手な値動きですが、

「ど真ん中」を挟んで上下に揺さぶられたに過ぎないともいえます。

世界経済が落ち着いた状態で、政府・日銀が「玉」を出す限り、

まだ、上値余地があるのは先述した通りではありますが、

それは「必ず上昇する」ということとは違う概念です。

そして、「時鳥トレード」としては、

相場が本格的に過熱して、上昇限界に近づくまでは、

ただただ様子見に徹するのみですので、

「なんかヘンだなあ」と思いつつ、冷めた目で相場を見ています。

上がり過ぎたものは下がり、下がり過ぎたものは上がるという、

相場の自律調整機能が働く瞬間を、ひたすら待ちます。

詳しい考え方と戦略は、前号メルマガをご紹介しています。

さて。

「タイミングの良い地震」などという、

不謹慎な発言をする某党の党首がいて問題になりましたが、

たしかに、一連の自民党関係者のスキャンダルを吹き飛ばし、

国会審議での政府側の不手際を覆い隠したのは間違いありません。

(衆院のTPP特委など、ひと昔前なら政権が倒れるレベルです)

また、地震によって「民主党政権の悪夢」が記憶に蘇り、

それが「民進党アレルギー」に転化する恐れもあります。

それでなくとも、度重なる民進党執行部の自滅的な振る舞いで、

結党直後から野党連合が大失速をしているのも事実です。

「基礎票」の合計が示している通り、与党は相当な苦境にあり、

北海道補選では野党連合がリードしたとの報道もありましたが、

ここにきて、また、勝負の行方がわからなくなっています。

いずれにせよ、先週までの「野党連合勝利ムード」は、

熊本・大分での地震の後、どこかに消えてしまったようです。

これをもって「安倍総理は運がいい」などというバカは、

少なくとも与党にはいないものと信じていはいますが、

世間の目が震災報道に集まってホッとする議員は確かにいます。

4月は政治の「潮目」が変わり、

ひとつの「潮流」となる可能性があります。

いずれにせよ、7月には参院選がやってきますが、

これにあわせて衆参ダブルをやるかやらないか、

やったところで勝てるかどうかは、

いわばこの一週間で大きな流れができる可能性があります。

そうしたことを踏まえて、次号メルマガ(第105号:4月24日発行)で、

いよいよ天王山となる5月以降の政治と相場について分析します。

政治と経済、政治と相場、政治と株価は連動するものです。

私のメルマガは、「4月相場」は最初に下がり、後に上昇するシナリオを、

(地震などの突発的事情はあったものの)概ね的中させていますが、

そろそろ5月とそれ以降について分析する材料が揃ってきました。

「安倍カレンダー」と「アベノミクス最後のピーク」について、

連休に突入する前の時点での見立てを述べておきたいと思います。

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