(現在0時30分。都合により、この時間の更新です)

いよいよ「年末相場」の終局に向かっています。

今月初めの頃、私も「掉尾の一振」を「期待」していましたが、

それを可能にする材料は剥落してきましたし、

たとえこれからいい材料が出たとしても、

よほどインパクトのある内容でない限り、

この株価位置から「2万円相場」に移るのはちょっと難しそうです。

無論、日本政府は「玉」と「弾」を温存して、

来年の参院選(ダブル選?)に備えるつもりのようですので、

FOMC後の世界相場が落ち着けば再上昇の可能性はありますが、

先週末の米国市場は思った以上に荒れています。

また、基本的に薄商いとなる「年末相場」は、

たいしたことのない材料にも揺さぶられ、

大いに上ブレするか暴落するかの可能性がありますが、

現時点では上に行く材料が見当たらないのは寂しいところ。

私は決してお勧めはしませんが、

もし、ここから「押し目買い」をする勇気ある方がおられるなら、

年末年始の休みの間に悪材料が出て大暴落をする可能性を考えて、

あまり無理なポジションを持ち越されることのないよう、

一応、ご注意を申し上げておきたいと思います。

さて。

第1週金曜日の米国雇用統計、

第2週のメジャーSQ、

そして、第3週のFOMCという超ビッグイベントを経て、

ようやく「12月の転機」を通過しました。

この間、日本国内では水面下で政策要因が大きく動き、

税制、予算、そして通常国会の「玉」の内容が固まるなど、

来年に向けての方向性が次々と出ています。

だから、「12月の転機」だったのです。

厄介なことに、指標、SQ、政策決定というのは、

蓋を開けるまで何が起きるかわかるものではなく、

それゆえ、日経平均は上にも下にも大きく動く恐れがありましたが、

ある時は18500円まで下げ、また、ある瞬間には2万円に近接するなど、

上下に激しく乱高下した挙句、最後は日銀がミソをつけて、

19000円ラインを大きく割って「年末相場」を終焉しつつあります。

この間、前号メルマガに書いた事情で私は動きませんでしたが、

瞬間的な「上ブレ」こそ警戒したものの、私の基本は「売り目線」。

少なくともここからの買いは危険であるとの認識で、

この「12月の転機」の顛末を眺めてきました。

思えば2012年12月の衆院選で自民党が政権を奪回し、

第2次安倍政権の政権構想が徐々に明らかになる過程において、

第1次政権の頃にちょっと揶揄的に使われた言葉であったはずの、

「アベノミクス」というキーワードが復活したのは、

ちょうどこの年末の頃だったと記憶しております。

民主党政権の失政に倦み切っていた国民が、

「何かが変わる」と「期待」したワクワク感を背景に、

その後、「アベノミクス」は時代を象徴する言葉となり、

ずっと国民の「期待」を集め続けることとなりました。

また、安倍総理にとって何よりの幸運だったのは、

ちょうどその頃、世界経済全体がリスク・オンにシフトする、

「グレート・ローテーション」の真っ最中だったことです。

リーマン・ショックやユーロ危機から立ち直り、

米国、欧州、中国の金融緩和という世界的な追い風で、

全世界で株が買われ始めたというまさにその時に、

アベノミクスはスタートすることができたのです。

あれから3年。

アベノミクスによって「株高・不動産高・円安」が実現しました。

資産バブルによって多くの「株長者」や「不動産成金」が現れ、

また、円安効果で外国人が爆買いに押し寄せています。

しかし、期待していた景気回復の「果実」はまだまだ遠く、

「2%のインフレ」が達成されるどころか、

実質賃金も実質消費も減り続け、GDPは縮小傾向にあります。

確かに、日本政府にはまだ「玉」も「弾」もありますが、

「それはいつ尽きるのか」という予想が本格化しているところに、

世界経済全体は再びリスク・オフにシフトしつつあります。

昔から、「小回り三月、大回り三年」という相場格言があり、

また、「日本市場は3年周期」というアノマリーもあります。

アベノミクス開始から3年。

相場をめぐる環境は、確かに大きく変化しています。

さて、来年以降の相場はどうなるのでしょうか。

この落ち着かない「年末相場」の行方をきっちり見定めながら、

年末年始、ゆっくりと整理して、

年末号(第88号:12月27日)と新年号(第89号:1月3日)で、

私なりの見立てを述べたいと考えております。

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