「下げない玉」。
（0時30分の更新です。都合により、この時間に短めに）
週明けの日経平均は一時300円の下落。
海外市場に広がる不安要因に、日銀の「大チョンボ」もあって、
大きく下げたのは、ある意味で当然といえば当然です。
しかし、チャートには不思議な「V字」線が出現しました。
後場から力強く戻し、一時は前日終値付近まで上昇したのです。
昨日も書いたように、さすがにこの位置から「年内2万円突破」は、
よほどの好材料が出ないと難しいとは思いますが、
しかし、18700円前後の「防衛ライン」で長い下ヒゲがついたのは、
日本市場をそう簡単には崩したくないという、強い「意志」を感じます。
メルマガでは何度も詳しく解説しているとおり、
この秋からしばらく、日本政府が繰り出している「玉」（政策）は、
夏までのように「最高値更新」を目的とした「吊り上げ策」ではなく、
下落圧力に対抗する「下げない玉」にシフトしているようにみえます。
また、日本政府にまだ残っている「弾」（現金）も、
以前のように「吊り上げ」ではなく、「下げない」ために使われ、
相場が崩れかけるとそれを押し戻すことに注力されているようです。
昨日の後場の上昇は、それを強く意識させられました。
確かに一般的な方向性として「売りに分がある」とは思うものの、
「それ売れ」「じゃんじゃん売れ」と煽るわけにはいかないのも、
今の相場の特徴といってよいでしょう。
これは、「ぎりぎりのバランス」の上に成り立つ攻防ですが、
もし、
・海外で「危機シナリオ」が破裂せず
・日本政府が適切なタイミングで「玉」と「弾」を出す
ことに成功するならば、「日本市場は売り崩せない」とみた外資が、
参院選の「玉」に「期待」して、日本株の買い上げ作戦に転じ、
来年前半に再び「2万円超」の水準に戻す可能性も皆無ではないからです。
もっとも、それは「非常な幸運」に恵まれた場合の話であり、
政権側が「非常に優秀」に株価対策を続けることができたらの話です。
なにかひとつ歯車が狂えば、いつ崩落するかわからず、
歯車を狂わす「不測の事態」は明日起こっても不思議ではないというのが、
この「高値圏」での相場の推移を見守る私の見解です。
その見立てをもとに「安心、安全、堅実」に勝つ方法を考えています。
いずれにせよ、この株価位置では私は何もしないことに決めていますので、
今日もチャートの動きに「政府の意図」「外資の狙い」を読み取るべく、
冷静に、真剣に、相場の値動きを注視したいと考えております。
休日を前にした薄商いで何が起きるかわかりませんが、
それでもやはり、ひとつひとつの動きに何か意味があるものです。
また、次号メルマガ（第88号：12月27日発行）で書きます。
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