国会ではまだ、えんえんとフィリバスターが続いています。

ですが、昨日の参院特別委で審議が再開され、

参院での「強行採決」が物理的に可能となった時点で、

今国会の安保法制は「勝負あった」でした。

衆院での再可決となり、「3分の2」が必要となったならば、

与党議員が10名ほど「造反」すれば法案は否決され、

即座に安倍内閣は退陣へと追い込まれるところでした。

これが、安倍政権にとってこの最終盤での唯一の「死角」でした。

しかし、参院採決ならば、えんえんと野党が繰り出す問責をいなし、

衆院に出される内閣不信任案を無難に「過半数」で否決すれば、

時間はかかっても今週中に可決・成立まで持って行けます。

つまり、昨日、参院特別委員会の理事会が開かれ、

委員会審議が始まった時点で、法案成立はほぼ自動的に決まり、

その後のゴタゴタの全ては、いわば「茶番」となったわけです。

もっとも、このゴタゴタが全部「無意味」かというとそうではなく、

「あれだけ大変なことがあった」という「記憶」となり、

多くの国民に共有され、次の選挙の投票行動に影響するでしょう。

私のメルマガで何度かご紹介しているように、

野党において進む「政界再編」のエネルギーにはなりそうです。

ただ、内外の投資家が当面の注目ポイントとしてきたのは、

「安倍政権はもつか。アベノミクスはまだ継続するか」

という点です。

おそらく今日、安保法制は成立し、安倍政権の支持率は再び下がります。

そしてそれを以前のレベルに戻すことは極めて難しいでしょう。

しかし、支持率が下がるからといってそれで政権が倒れるわけではなく、

この後、臨時国会、通常国会、そして来年参院選対策と、

次々と「玉」を繰り出すことは可能です。

5月頃から私が懸念してきた難所をなんとか切り抜けるメドがつき、

安倍政権は「死のロード」を脱することができそうです。

そして、いよいよ政権は「反攻」を始めることができます。

ただし、市場の関心は今、米国に注がれています。

FOMCで利上げが決まるかどうかは、

当局者の「政策判断」であるだけに誰にもわかりません。

また、利上げが決まったとして新興国を中心に何が起こるのか。

QEという人類史上最大の「金融実験」の幕引きは誰にもわかりません。

無論、「利上げ先送り」ならば株価は上昇しそうですし、

すでに市場は「利上げ先送り」を織り込みつつあるようですが、

こればかりは蓋を開けてみないとわかりません。

したがって、この後、株価がどっちに動くかまだ予断を許さず、

私も、FOCMCの結果とその反応をふまえて判断したいと思います。

ただ、そろそろクリアになってきつつあることがあります。

長期的な景気の展望です。

何ごとも始まりがあれば、終わりがあります。

2012年から続いてきた景気拡大局面もいつまでも続くことはなく、

どこかの時点でまた、不景気の時代がやってくるはずです。

安倍政権はもう少し大丈夫ではあるでしょうが、

しかし、いつか必ず退陣し、アベノミクスは終わります。

無論、「アベノミクスは最終盤」と考えた今年半ばから、

私は短期的な投資戦略を「売り」のみにして全勝記録を更新していますし、

長期目的での購入するのは「安全資産」のみとしてきましたが、

そろそろ長期ポートフォリオも本格的、計画的に見直し始めています。

では、どこがその注意点になるのか?

次号メルマガ(第74号:9月20日発行)で書かせていただきたく思います。

投資において何よりも大事なのは、

「次の時代」をしっかりと見据えておくことです。

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